女子校

女子美術大学付属中学校

青い線が入った靴はダメ? ならば内側を染めましょう、自分だけの青に

本質を観抜き、他を思いやり、知恵を絞って道を開く。生徒の間違いをただ責めず、痛快な発想で素敵なデザインに巻き込んだ先生が実在したという女子美には、あらゆる進化の原点、熱い息吹が満ちている。

よく観ることは、その本質への想像力=思いやりを育むこと

 よく観る人ほど他のために真に活きたいととひたむきに学び、知恵を絞り、夢中で行動するのであり、その点で同じ自然と向き合う科学者と画家の営みはとても似ている。そんな風に語るのは、昨年秋にノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智氏。そして大村氏が名誉理事長を務める女子美では全ての教科において「よりよく観る目」を育むことを軸に授業が展開される。理科の授業には解剖も取り入れ、絵画の授業では描き終わるまで花瓶の花を入れ替えず枯れゆく時間や運命も共有する。「学ぶ」というより「体験し、感じ取る6年間」。普通科として美術以外の学びにも時間と情熱を余すところなく注ぐ女子美で、幅広い体験を通じて豊かに育まれた感性は、創造力の糧となり、生徒たちの創作活動だけでなく人生の可能性もダイナミックに切り開く。1年がかりで見事な卒業制作を描き上げながら難関と言われる他大学に合格する人、ネイティブ教員につきっきりで英語力を強化し海外で憧れの仕事を手にする人。自分で道を選び、なければ創り、たった一人でも堂々と歩いていく、それが女子美生なのである。

全力で知恵を絞り、精いっぱい汗をかけ!

 展示スペース獲得のために練りにねった企画書で数日間に渡るコンペを闘うところから始まる女子美祭、衣装はもちろん構成や振付まで全て生徒たちで手作りし美術監督さながらの高い完成度と情熱的なダンスで観客を感動の渦に巻き込む運動会(体育祭)名物・応援合戦、100周年を記念してイタリアから材料を取り寄せ、作家の監修のもと夏休みも返上で全生徒・教員が一丸となって仕上げた巨大なモザイク壁画など、授業も部活も作品作りもこなしながら、寝る間も惜しんで創作活動に取り組む女子美の生徒たち。特筆すべきはその全てが自主的な活動であること。そしてその自主性は華やかな行事に限らず週番によるゴミの分別や下校時刻の徹底といったルールの運営管理に至るまで学校生活の端々に満ち、受け継がれてきた女子美の伝統でもある。心を込め、全力で、生きる。芸術家である前に一人の人間として、真っすぐでひたむきな女子美生たち。厳しい時代にも常に9割を下回ることはない女子美大の就職率は、そんな女子美生に社会がくれた1つの答えなのかもしれない。

いくつになっても、どこで生きても

 生徒たちがスケッチ旅行に出かけた安曇野の草原で、一人カンバスに向かい続ける老婦人に出会い、それが同校の卒業生だったというエピソードがある。世界の大都市から小さな島まで地球丸ごとを舞台にして、美術に関わる職業はもちろん、一般企業のあらゆる部門で、また起業家としても、幅広く活躍する同校の卒業生たちだが、その多くが絵を描くことをずっと続けているという。呼吸をするように、それは女子美生たちにとって、生きることそのものなのかもしれない。「美術を手に入れたおかげで、一人で発想する、個を磨く、自分と向き合うことができるようになった皆さんなら、結婚しても、お母さんになっても、寂しくないと思います」。昨年秋の創立100周年記念式典で、ある卒業生がこう語っていた。学歴や資格、就職の保証。両手いっぱいかき集めても安心できない厳しい時代も、女子美生はきっと両手を大きく振って、まっさらな未来を自由自在に生きていく。美術的生活。それこそが女子美での6年間で生徒たちが手に入れる、かけがえのない宝物なのだ。

School Data

女子美術大学付属中学校
最寄駅名 東高円寺
URL http://www.joshibi.ac.jp/fuzoku
大学合格実績 女子美術、筑波、埼玉、東京藝術、早稲田、慶應義塾、上智、明治、立教、中央、学習院、日本(芸)、日本女子、武蔵野美術、多摩美術など
学校基本情報 創立年(西暦) 1915年
併設校 女子美術大学付属高等学校、女子美術大学
生徒数 (1年)135人
クラス編成 33~34人
男女比
授業時間 8:20~15:15 (土)~12:35
海外交流校
帰国生特別入試
中高6年間費用 500万円台前半
交通情報 東高円寺駅(東京メトロ丸ノ内線)徒歩8分
所在地 〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8
TEL 03-5340-4541