男子校

学習院中等科

様々な情報があふれる世の中に出ても、何が本物かを見分けられる力を育てる

学習院の理科は、中等科から物理、化学、生物、地学、各専門分野の教員が、専用の施設で実験や観察を重視した授業を行っている。広大なキャンパスでの自然観察や膨大な標本コレクションも生徒の好奇心を刺激する。

入試も学習機会のひとつ。データから正解を読み解く

 学習院中等科の理科の入試問題は、物理、化学、生物、地学の専任教員が、それぞれの分野で知恵を出し合って作成する。入学試験を子どもたちの学習機会のひとつとして位置づけ、クイズのように知識を問うのではなく、知らなくても勘に頼らないで与えられたデータを科学的に解釈すれば答えを導き出せるような問題を心がけているという。
 事例は足跡と動物を結びつける生物分野の問題だが、ヒントから推測できるように工夫されている。「特殊な動物は出さず、本州に生息している動物を選んでいます。問題を読み解くなかで、スキー場やキャンプ場などで実際に見たことがある足跡を思い出し、『ああ、あれはこの動物のものだったのか』と自らの体験とつながれば、さらに良いと思っています」と生物担当で学習院大学講師も兼ねる田中一樹教諭は話す。

本物に触れられる環境で観察し、思考する力を伸ばす

 入学してからは、「本物」をじっくり見て、そこから何を感じるかを重視する教育を行う。例えば地下にある標本保管室は、ほ乳類や鳥類の骨、剥製、卵のほか、は虫類、昆虫、化石、鉱物など8千点にのぼる膨大な標本が収蔵・展示されていて、理科の授業で活用される。旧制高校時代から受け継がれた世界的に貴重な標本もあり、学校見学会や文化祭などの機会にこれらを見た子どもたちは、入学後、いつこれらを使った授業をするのか楽しみにしているという。
 広大なキャンパスにも「本物」があふれている。生物の授業では、ツツジや花菖蒲など四季の草花を観察し合弁花類と離弁花類を見分けたり、日本タンポポと西洋タンポポの生息場所を比較したりといったフィールドワークが行われる。高等科の生物では、キャンパスの奥にある堀部安兵衛が高田馬場での仇討ちの後、刀を洗ったという逸話が残る「血洗いの池」で水中の微生物を採集するそうだ。「敷地内にはタヌキも生息していて、生物同好会がその足跡の型を石膏でとるのを新入生勧誘のツールにしています」と田中教諭。応急手当普及員の資格も持つ田中教諭は、中2で扱う「人体」の項目の中で、生徒に心肺蘇生術を教え、実技試験を課している。「本来は保健体育の分野ですが、心肺の機能の授業の流れで心肺蘇生術を教えると、知識と体験が一体となって生徒もよく覚えてくれます。学年や教科の枠にとらわれず、生きた学問を教えています」。

本物を見分ける力は、生きていくのに必要な力

 学習院は高等科に進んでも文理のコース分けがない。そのため受験に必要な授業という観点だけでなく、自分が興味・関心のある分野を選択する生徒が多い。例えば、高3で私大文系志望の生徒が遺伝子組み換えやタンパクの分析など大学2年生レベルに相当する生物の授業を選択し、真剣に実験に取り組んでいる。
 理科で養う本物を見分ける力は、他の教科の学習はもちろん、実社会に出てからも役に立つ。世の中にあふれる情報から本物を選り分けて、自らの行動を判断する。それは、まさに「生きるための力」だ。

School Data

学習院中等科
最寄駅名 目白 雑司が谷 学習院下 鬼子母神前
URL http://www.gakushuin.ac.jp/bjh/
大学合格実績 東京、一橋、東京工業、東京医科歯科、京都、北海道、東北、大阪、九州、筑波、横浜国立、早稲田、慶應義塾、東京理科、明治、上智、中央、北里、杏林、聖マリアンナ医科、東京慈恵会医科、東京医科、日本医科など
学校基本情報 創立年(西暦) 1877年
併設校 学習院幼稚園、学習院初等科、学習院高等科、学習院大学
生徒数 (1年)200人
クラス編成 40名
男女比
授業時間 8:30~15:00 (土)~12:20
海外交流校
帰国生特別入試
中高6年間費用 600万円台後半
交通情報 目白駅(JR)徒歩5分、 雑司が谷駅(東京メトロ)徒歩5分、 鬼子母神前駅・学習院下駅(都電荒川線)徒歩5~7分
所在地 〒171-0031 東京都豊島区目白1-5-1
TEL 03-3986-0221