女子校

普連土学園中学校

想定外の実験結果も考察の対象にし、理系学部での研究の素地をつくる

キリスト教系女子校の中でも高い理系進学率を誇る普連土学園中学校。特に近年は理工系学部を志す生徒が急増。その背景には、理科そのものの魅力を感じさせ、知的探究心をはぐくむ同校の理科教育がある。

知識活用型の問いから生徒のポテンシャルを見る

 普連土学園中学校の理科の入試問題では、基本的事項の知識の有無に加え、発展問題として知識活用力を測る問いが出題される。左記にあげた問題はまさに好例と言えよう。
 ①は「燃焼の三条件」を問うもの。小学校の理科で必ず押さえるべき初歩的な問いだが、②では、この「条件が一つでも欠けると燃えない」という知識を活用した上で、問題文からどのような状態なのかを把握し、適切な答えを導くことが求められる。
 理科の松浦良知教諭は「入試でこうした知識活用型の問いを突破できるだけの力を持っていることもあり、入学後の授業では、いわゆる暗記レベルの事象であっても『なぜ、そうなるのか?』と、自ら追究しようとする意識を持つ生徒が多い」と語る。

教科書だけが全てではない、豊かな視座を養う理科教育

 近年、着々と理系進学率を伸ばす同校。その所以は旺盛な知的好奇心を持ち、学ぶことの楽しさを知る生徒が増えているからにほかならない。理科の授業では実験や観察の機会を多く設けているが、中1では導入として身の回りの物事をテーマとして扱い、理科的思考力を磨いていく。「徐々に積み重ねていくことで、着実に理解できるようになる。理解できると、もっと知りたいと思えるようになる。実際、『もっと難しい実験をやってみたい』という声が生徒の方からあがることもあります」と、松浦教諭は語る。
 実験の一番のメリットは、現象を間近に見られること。教科書通りの結果になるとは限らず、時には予想外のことも起こり得る。しかし、そこから新たな疑問が導かれることもある。
 例えば、高2の減圧沸騰の実験での出来事。減圧沸騰とは、密閉容器内に入れた液体が、容器内の圧力を下げることによって低温でも沸騰する現象だ。湯を用いて実験をしたところ、最初は教科書通りに湯が噴き出すくらいに沸騰が起こったが、しばらくすると沸騰が止まった。しかし、こぼれた少量の湯からはボコボコと泡が出続けた。「それに気づいた生徒たちが、『容器内は蒸発熱で冷やされて沸騰しにくいのだろうか』『吹きこぼれた湯の沸騰は表面積が広いことと関係しているのでは』と、仮説を立てて私に言いにきたのです」と、松浦教諭。続けて、次のように語った。「教科書に載っていることが全てではない。教科書と違う実験結果が出ても、失敗ではありません。目の前で起こったということ自体は事実であるし、結果が異なるならこれまでに学んだことを総動員して『なぜ、異なってしまったのか?』と、考えてみることが大切なのです」。

入学時からの積み重ねが能動的な学びの姿勢に昇華

 知識を活用し、広い視野を持って目の前の課題を解決していこうとする前向きな姿勢。これは全教科に共通するあるべき学びの姿だ。それを養うために、同校の理科では高1までに基本的事項の習得を徹底。高2以降は進路に応じて選択履修となるが、理系では実験・観察に加え、ディスカッションといったアクティブな学びが展開される。「授業後の休み時間にも生徒同士の話し合いが続くほど」と、生徒の意欲に松浦教諭も驚きを見せる。科学そのものの楽しさや魅力に気付かせる同校ならではの理科教育の賜物であろう。

School Data

普連土学園中学校
最寄駅名 田町 三田 白金高輪
URL http://www.friends.ac.jp
大学合格実績 東京、一橋、東京工業、京都、大阪、東北、北海道、筑波、東京外国語、お茶の水女子、東京医科歯科、東京農工、東京海洋、東京学芸、東京藝術、千葉(医)、群馬(医)、信州(医)、弘前(医)、広島(歯)、旭川医科、国際教養、首都大学東京、早稲田、慶應義塾、上智、国際基督教など
学校基本情報 創立年(西暦) 1887年
併設校 普連土学園高等学校
生徒数 (1学年)135名
クラス編成 40~45名
男女比
授業時間 8:40~15:35 (週5日制)
海外交流校
帰国生特別入試
中高6年間費用 400万円台後半
交通情報 田町駅(JR山手線・京浜東北線)徒歩8分、 三田駅(都営浅草線・三田線)徒歩7分、 白金高輪駅(東京メトロ南北線)徒歩10分
所在地 〒108-0073 東京都港区三田4-14-16
TEL 03-3451-4616