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Keep Watch! 時代の空気を経営のヒントに
【サイコス社長 青葉哲郎 第1回 これから必要なのは「雑食系」の若者だ】

 

 2005年に日本の人口が減少に転じてから、高齢化は日々進んでいる。50歳以上の人口割合は、2030年には54%にまで上昇し、65歳以上は全体の31.8%を占めるようになる。シニア層が増えるにつれ、市場は大きく伸びる。ニッセイ基礎研究所によると、60歳以上の高齢者消費市場は、2030年には77兆円になる。

 注目すべきは、シニア市場の大きさではなく、シニアのライフスタイルの変化だ。以前は老人クラブなどのレクリエーション活動が中心だったが、現在では就労意欲が高く、起業やNPO活動、地域活動などの社会貢献意欲が高い。会社でパソコンを使っていたシニアは、当然ITにも強い。65~69歳のネット利用率は27.3%(2004年)から58%(2009年)と倍増している(総務省「通信利用動向調査」)。

 ネットやメールを活用し、同世代だけの交流ではなく多世代との交流を求め、コミュニティには自ら主体的に参加する。一昔前のお年寄り像とは多くの点で異なるのだ。

 一方、元気がないのは若者だ。「草食系」という呼び名が流行って久しい。恋愛においてガツガツしないだけではなく、ビジネスにおいても「草食男子」が急増している。就活では、大手終身雇用を好み、転勤がある総合職より賃金の低い一般職を選択し、ワークライフバランスの「ライフ」部分を大切にする。

 先日出会った上場企業に勤める30歳男性は、部長や社長を目指すのではなく係長や課長として長く働きたいそうだ。彼は高学歴で語学堪能のグローバル人材だが、「評価は上位を狙うのではなく、普通のラインから外れないように」努力しているそうだ。高い評価を得て、期待やプレッシャーが高まるより、落ちこぼれにならないことが重要らしい。

 彼らと話をしていると「なぜ2番じゃダメなんですか?」という声が聞こえてくる。一方、企業は海外採用を強化。パナソニックは、数年前からグローバル採用にシフトし2011年新卒採用で過去最多1100人、全体の80%を海外採用した。

 かつて日本の高度経済成長期にがむしゃらに働いたシニアたちが、引退を迎えても活躍の場を求めているのに対し、日本の若者は目標を見失っている。イギリス・オランダ・フランスなどかつての世界の覇権国がいかにその焦点を living standard(生活水準)からquality of life (生活の質)の向上に移していったかを、今の若者は学ぶ必要がある。加えて、高度経済成長を遂げたその成功体験をインドや中国など他の国々のために生かすのも日本の役割だ。

 これからの日本には、なんでも挑戦する「雑食系」が必要だ。

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