Diamond online

マネジングボード Managing Board

clear
マネジングボードホーム時代の空気を経営のヒントに Keep Watch!これがあの経営者の“仕事場”だ Leader’s Office我が社はコレで勝負! 起・業・人技術とアートと伝統の傑作 高級機械式腕時計を学ぶ

Keep Watch! 時代の空気を経営のヒントに
【サイコス社長 青葉哲郎 第2回 話題のフラッシュマーケティングは次なるステージへ】

 

 スーパーのタイムセール。人だかりに吸い寄せられるように、また人々が集まる。「1時間限定!今だけお買い得!」なんて言われると必要のないものでも手にしてしまうことがある。そんなタイムセールをインターネット上で展開する新しいマーケティング手法「フラッシュマーケティング」が日本で話題だ。

 フラッシュマーケティングの起源は米国。従来から販売期間を24時間と短く設定した「One deal a Day」という手法が存在しており、Amazon.comやBuy.comが採用していた。2008年GROUPON(グル―ポン)が、割引クーポンをインターネット上で事前に共同購入するビジネスモデルを始め、世界各国で拡大。2010年6月日本にも上陸した。グル―ポンは世界最速で成長している、グーグルも買収を仕掛けた話題のベンチャー企業だ。

 日本では「共同購入型クーポン」と呼ばれ、この半年でなんと約200のサイトが営業を開始した。共同購入成立のためにtwitterやFacebookというソーシャルメディアを消費者自身が活用して呼びかけを行う。運営企業は大手からベンチャーまで様々だが、今後の生き残りに関しては、既に熾烈な戦いが始まっている。

 日本で会員数トップを独走するのは本家グル―ポン。猛烈な勢いで追い上げるのが2位のリクルート「ポンパレ」だ。両社ともにTVCMやネット広告を展開し、今秋から大幅な人員増で営業体制を構築している。グル―ポンには毎週50~60名が入社し、年内に700名程度の規模に一気に拡大。一方、リクルートも一説には約2,000人の営業社員をポンパレ営業に投入した。なぜ大手2社が急拡大を始めたのか。それは、細分化された地域ごとに魅力的な商品を揃える営業力がさらなる発展のカギだからだ。

 一方、資本力がない企業の淘汰が始まった。この分野の先駆者だったベンチャーのカウポンとピクは両社に抜き去られた。グーグルの入札式広告の単価は高騰しており、すでにベンチャーには手が出せない状況だ。グル―ポンは米国で資本調達しているため、利益がなくても数十億円の販促費をひねり出すことも簡単だ。

 値引きクーポンで恩恵を受ける消費者と対照的に、クーポンを配布する店舗には負担がのしかかる。販売期間と見込み客数は把握できるのだが、大幅な割引と手数料の支払いが必要なため原価率の高い飲食店は継続利用が困難という声も出ている。一元さんであるクーポン客を満足させリピート客変えていくのは至難の業だ。

 最近、グル―ポンを利用した人からはこんな声も聞いた。クーポンを一定期間大量に販売してしまうために、「店舗への電話がつながらない」「予約が取れない」といった声や、「格安のエステに行ってみたら高額の商品を勧められた」といった内容だ。もちろん、多くの店舗は良識があり問題はないはずだが、早晩、品質が問われるようになり、新しい戦いのステージに移行するだろう。この分野の勝負はまだ始まったばかりだ。

clear
clear
DIAMOND online
clear