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Keep Watch! 時代の空気を経営のヒントに
【アップウェブ社長 藤田尚弓 第1回 スマートフォンにかいま見える“裏欲求”】

 

 今年話題を集めた「スマートフォン」。出始めの頃は「どんなことができるのか」「機種の違いは?」というような話題でしたが、数カ月前からは「iphoneとノートPCどっちがいい?」といった話題に変わりつつあります。比較対象が携帯電話でなくなっているのがオモシロイと思いませんか?

 某経営者の方から聞いた話を思い出しました。水で有名なメーカーが、肌にふきかけるスプレータイプの水を化粧品として販売。水と比較させるのではなく、化粧品と比較させることで高価格での需要を創出したという話です。

 スマートフォンも、比較対象を携帯電話からPCにシフトさせることによって、価格訴求から脱却し、二台目という需要を創出した好例だと思います。

 かくいうワタシも手軽な持ち運びPCといった感覚でスマートフォンを購入し、携帯電話との2つ持ち生活を1年以上続けています。

 スマートフォン市場が拡大してきている背景には、比較対象のシフトだけでなく、巧みにデザインされた「購買の裏欲求」があると思います。

 携帯電話の歴史を紐解いてみると、導入期の景気がいい時代には「便利さ」だけでなくステイタスの象徴という裏欲求が購買意欲を刺激しました。

 一人一台の成長期には、人間関係が希薄になっていく時代感も手伝って、いつも誰かと繋がっていたいという裏欲求。

 スマートフォンの裏には、魔法の箱を手に入れるような自己拡張への期待感、デジタルを使いこなさなければという焦燥感、デジタルデバイド(情報技術を使いこなせないことによる機会・待遇の格差)に対する恐れや優越感など、多様な価値観を満たす裏欲求があると思うのです。経営者として、これは非常に興味深いことです。

 周りの若い経営者仲間を見ても、携帯電話とスマートフォンの二個持ちがもはやスタンダード。「iphoneって電話もできるんだ」とオモシロイ発言をしてしまうようなアナログさんにさえも「所有したい」と思わせる。そんな訴求ポイントやPR方法はどんな商売にも参考になると思うのです。

 景気が低迷してモノが売れなくなってきた、モノが飽和して購買欲求そのものが少なくなってきたと言われている状況でも売れるものは売れるのですね。

 スマートフォンの話題が巷を賑わすたびに、裏欲求、訴求ポイントを考え自社の商品・サービスに応用できるところを探してしまいます。

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