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Keep Watch! 時代の空気を経営のヒントに
【セレブレイン社長 高城幸司 第10回 現場のOJTが見直されつつある】

 

 OJTという言葉を知っていますか? OJTは長年、日本企業が後輩に実施してきた古典的な社員教育の仕組み。集合研修で学べない業務を教えるため、職場でOJTトレーナーと呼ばれる先輩社員の指導係によって、仕事の進め方から会社のルール・考え方までこと細かに教育して人材を育成する手法です。

 ところが、
「現場の指導などで大した教育などできない」
とOJTをやめる企業が増えました。もはや、消えてなくなる過去の遺産くらいに思われていたかもしれません。ところが、そのOJTが見直されつつあります。その理由は不況期に社員教育をさぼった企業に対するツケでした。

 確かに、最近は社員教育をあまりしない職場が少なくありません。「入社の事務手続き終了後、すぐに配属先で仕事してもらいます」と乱暴な対応。当然、何も教えてもらっていないので職場の同僚に聞きたいでしょう。ところが、同僚も人手不足なので教えている時間がありません。「仕事に追われているので別の人に聞いてください」と放置状態。これでは人は育ちません。

 ただ、日本経済も「やや」立ち直り、リーマンショック前の7、8割程度の景気まで回復しました。そこで業績が持ち直せば、人手不足で人材の採用が再開されます。ところが、職場は鉄火場のように忙しい状態。採用した人材を受け入れ可能な状態にありません。

 そんな忙しい状態であっても「業績を回復させるチャンス」なら、「いかに」人を育てる体制をつくるか? は大事なこと。ところが人事部には社員教育する人材が不在。不況期に人事部もリストラしてしまったのです。そんな窮地に「教育は現場で…」とOJT教育が見直されました。

 タイミングもよかったようです。ある人事部に聞いたところ「最近の若い社員は学生時代に塾などで個別指導を受ける機会が多いのでOJTの指導が適している」とのこと。ある小売業でOJT指導をするトレーナーが「昔より素直で真面目で、すぐに身につける」と最近の若手社員を評していました。つまり小難しい教育システムの検討より、「現場で個別指導する風土」を醸成することが業績向上には効果的かもしれません。

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