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【第3回 カルティエを身に着けるということ 『ENGINE』編集長 鈴木 正文さん×(聞き手)フリーアナウンサー 永井 美奈子さん】

1847年にパリで創業した「カルティエ」の、文化的、ファッション的存在意義とは? 今年のSIHHで発表した「オート オルロジュリー コレクション」にまつわる話も交えつつ、時計愛好家としても知られる雑誌『ENGINE』の鈴木正文編集長と、フリーアナウンサーの永井美奈子さんが語り合った。

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カルティエが持つ“フランスらしさ”


遊び心・エスプリをテーマに楽しい会話が尽きない

永井 カルティエには美しくダイヤモンドをセッティングしたモデルもあれば、複雑機構もあり、さらには文字盤の上にアートを描くモデルもあります。

鈴木 元々フランスには、"道具を遊ぶ"という考え方があって、"アンファンテリズム(=infantilism/幼児性)"という言葉が使われることもあります。子供は発見の喜びに満ちている。引かれたレールであっても変えてしまう。そんな捉われないエスプリ(精神性)があるのです。フランス人は道具すらも楽しみにしてしまうのですが、その一例がシトロエン「2CV」。座席を取り外すとピクニック用の椅子になるなど、色々な所に楽しさが満ちている。というより、フランス人は楽しめるようにしかモノを作れないのでしょう。


カルティエを身に着けることは、信頼を手に入れること

永井 カルティエも同じですね。技術ばかりを進化させるのではなく、スタイルや文化も作り上げている。それがフランスのブランドらしい遊び心なんですね。

鈴木 この感性は「エスプリ」ともいえますね。カルティエは、エスプリに満ちたブランドです。例えば「タンク」という時計がありますよね。この時計のデザインは、第一次世界大戦で初めて登場した戦車のキャタピラ、車体がモチーフです。片やエレガントな時計、片や武骨で重厚な戦車。この二つの要素を結びつけるとは驚き以外の何物でもありません。

永井 まさに最先端の感覚を持つブランドなのですね。

鈴木 『太陽がいっぱい』など、1960年代の映画の多くで、カルティエの時計が登場しますが、それらを見ているだけでも、カルティエというブランドの位置づけやブランドステイタスがわかるでしょう。やはり自分で選んだ時計に対しては、しっかりと選んだ理由を語れるようになってほしい。

永井 カルティエの時計を持つ上での心構えってありますか?

鈴木 カルティエを身に着けるということは、ある種のコンフィデンス(=Confidence/自信、信頼)を手に入れるということにもなる、と思います。カルティエには確固たる世界がありますから、隣にどんな時計が並んでも引け目を感じることはない。つまりカルティエは、1本は持っていないといけない時計なんですよ!

TEXT: T.Shinoda PHOTO: M.Suzuki

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