[グローバル化時代に先手を打つ!]ロジスティクス・イノベーション

ASEANでも域内輸送網を拡大

 日本通運がグローバル戦略を積極的に推し進めているのは、もちろん中国だけではない。すでにASEANでは、上海からシンガポールまでの7000キロを陸路で結ぶ輸送ルートの運用(商品名「SS7000」)で、域内輸送を拡大している。

 「インド、ベトナム、インドネシアへの事業の強化、拡大もスピード感を持って進めていきたい。北アフリカについても事業展開を早急に具体化する必要があると考えています。また、真の意味でのグローバル化には人材の育成も不可欠です。経営意識を持った現地スタッフの育成も急務だと認識しています」(伊藤副社長)

海外でも、通販ソリューションをトータルで提供

 一方、中国の内需拡大に呼応して取り組んでいる新ビジネスでは、3月にサービスを開始した「NEX@チャイナDMF」がある。中国向け通信販売に必要なすべての機能をプラットフォームとして提供するワンストップサービスだ。

 「DMF」はダイレクト・マーケティング・フルフィルメントの略で、「フルフィルメント」は、注文から発送までのトータルな管理運営業務を意味する。

 急成長を続ける中国国内のネット通販市場では、信頼性のある日本製品への購買意欲が高まりを見せている。しかし、日本の通販事業者にとって中国市場参入のハードルはそれほど低くはない。特に、貿易権、国内流通(内販)権などが足かせになっている。

 同サービスでは、日通が40年以上培ってきた中国市場における強力なネットワーク基盤を活用し、子会社の中国日通や上海e-テクノロジーなどの日通グループが一体となって取り組んでいる。サイトの構築から商品の輸出入、在庫管理、受注、宅配、決済、クレーム処理まで、トータルなソリューションをパッケージで提供。日本の通販事業者にとっては、中国市場参入への実務的障壁が大きく下がることになる。

 商品販売の窓口となる中国​E​C​サイトの認知度も重要なポイントだ。日通は、中国最大のネット通販サイト「タオバオ(淘宝商城)」(アリババグループ)と提携しており、これによって中国国内における高いシェアと信頼度を得たといえよう。

 逆にタオバオ側も、中国の消費者のサービス品質に対する要求レベルが高くなっていることを実感しており、実績のある日本通運に期待しているという。

 また台湾においても、ECサイト構築を含めたフルフィルメントサービスを近々に開始予定である。

【図】中国向け通販サービスの仕組み

新たな事業領域の展開にも果敢に挑戦

日本通運 営業企画部長 安藤伸樹氏日本通運
営業企画部長
安藤伸樹氏

 一方、グローバル事業展開を推進するために、異業種企業との連携も積極果敢に推し進めている。この6月にはデジタルガレージとの合弁で、レディメードのDMFを提供する新会社​N​E​X​D​G​を設立した。

 「異業種企業との提携、コラボレーションだけでなく、運送業の延長というとらえ方を超えて、マーケッター、マーチャンダイザーとして、時流に乗った新たな事業展開を図っていきたいと考えています」(安藤部長)

 さらなる展開として、医療・医薬や新エネルギー、公共サービスといった成長分野での事業創出も視野に入っているという。

 世界最大規模のネットワークと人的資源により、高度な物流ソリューションを提供している日本通運。海外において「日本品質」を提供できる強みをそのままに、スピーディーに顧客ニーズに対応するグローバルロジスティクスカンパニーとして、さらに大きく動き出そうとしている。

  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ

ダイヤモンド・オンライン

ダイヤモンド社のビジネス情報サイト ダイヤモンド・オンライン プラス

問い合わせ先 日本通運株式会社 〒105-8322
東京都港区東新橋1-9-3
電話:03-6251-1200

ロジスティクス・イノベーショントップへ