パスメディア×UBIC 日本企業14年ぶりの米国NASDAQ上場 その戦略の裏にあった書籍出版とは? - Diamond online plus

国際訴訟支援を手がけるUBICは、2013年5月16日、日本企業としては14年ぶりの米国NASDAQ上場を果たした。同社はリーガルテクノロジー企業として、アジアをリードする存在。その成長を支えた戦略の一つに「書籍の出版」がある。同社の守本正宏社長と、出版戦略を手掛けたパスメディアの主藤孝司社長が対談した。
「書籍の出版はNASDAQ上場という戦略を支えた重要アイテムです」守本正宏社長
UBIC 守本正宏(もりもと・まさひろ)代表取締役社長
UBIC
2003年創立。米国訴訟や国際的カルテル調査などで要求されるDiscovery支援事業のほか、コンピュータフォレンジック調査事業も手掛ける。米国3拠点、韓国・台湾・香港・ロンドンでも事業展開。07年東証マザーズ上場、13年米国NASDAQ上場。

守本 米国の司法業界で認知向上を図るため、先日米国NASDAQに上場しました。米国で訴訟やカルテル事件に巻き込まれた企業を支援するのが当社の主力事業です。米国では30社ほどこの分野で上場企業があります。上場で司法業界からの信用度も向上し、米国での活動が強化できます。日本やアジア企業に強力なアピールにもなります。

世界で唯一のアジア言語解析技術と人工知能を用いたソフト開発

主藤 UBICのDiscovery(ディスカバリ)支援の特色はなんでしょうか。

守本 米国民事訴訟では審理の前に原告・被告双方が訴訟に関係する情報を開示するDiscoveryという手続きがあります。当社は、企業が持つ膨大な情報から開示に必要なデータを適切な手続きに則って提出する支援をしています。グローバル化が進み、今日本企業は国際訴訟を多く抱えていますが、いざ訴訟となると、現地子会社と弁護士に任せっ放しにしているのが現状。それでは欧米企業とは対等に渡り合えません。たとえ米国の子会社が訴えられた国際訴訟であっても、日本本社が積極的に状況を把握しコントロールしなければなりません。そのために必要なのが、アジア言語を正確に解析できる「ディスカバリ総合支援企業」なのです。私たちは、アジア言語の解析技術と、人工知能の研究成果を使った証拠の取り扱いに関して世界で唯一の技術力を持っており、米国の投資家からも高い評価を受けています。

業界トップの実力企業だけが実現できる出版戦略

「目指したのは『売れる本』ではなく『経営効果を高める本』を戦略的に出版することです」主藤孝司社長  パスメディア 主藤孝司(すどう・こうじ)代表取締役

主藤 今回、御社の課題解決として戦略出版®コンサルティングを実施し、守本社長は『ディスカバリ』(起業家大学出版)という書籍を出版しましたが、戦略的な設計を施した書籍出版の効果はどうでしたか?

守本 当社の課題は事業のわかりにくさです。セミナーなどでは時間の制約もあり当社の強みや想いなどはなかなか伝えきれませんでした。ところが書籍による情報発信は伝えたいことをより価値ある形で伝えることができます。そのため、必要な人に確実に理解してもらえる可能性が高まることに気付きました。同じ情報でもWEBやセミナー、ネットリリースとは全く違った結果を生むのです。例えば拙著の場合、日米の弁護士の方から「難解な米国訴訟のことがこれほどわかりやすく書かれた本はない」という評価をいただいており、入門書として薦めていただいてもいます。

 先日も株主総会で、株主のお一人から「社長の本を読んで、UBICのビジネスは日本にとって重要なものだと改めてわかったよ」というお言葉を頂戴しました。

主藤 UBICが解決している“社会問題”にフォーカスし“伝えるべき企業の価値”により迫った本作りを行ったことが功を奏しましたね。私が本作りで意識しているのは、「売れる本」を作るのではなく、本業の経営効果を高める本を設計すること。これは通常の出版でいう企画や編集、構成とは全く違った作業です。どんな企業でも書籍を出版すればいいというものではありません。その企業自体に確固たる技術や実績がなければ出版してもなんの変化もありません。UBICの場合、業界トップの実績があり独自の技術を保有していたので、私はすぐに「書籍を出版するに値する企業だ」と判断し、依頼を引き受けました。

パスメディア
ブックマーケティング®を中心とする出版コンサルティング専門企業。企業の課題解決と目標達成を実現する「戦略出版®コンサルティング」のノウハウによる出版物は200以上、代表の著書監修書の累計は100万部を超える。

「事業の核心はここにある」と言えるのが書籍の強み

守本 書籍出版前は、事業内容を理解してもらうまでに時間がかかり、すべてを理解してもらうこと自体、諦めていました。しかし出版した後は「より詳しいことは本書にまとめました」と言ってすぐにお渡しできます。

主藤 『ディスカバリ』は社長の価値観の押しつけではなく、本業に沿った優れた解説書であり、日本企業が抱えている国際的な問題をも提言しています。

守本 そのためこの本は大手企業の法務部の方々にも多く読まれています。弊社でも営業だけでなく社内の教育や採用ツール、マスコミ取材の素材としても活用しています。“事業の核心はここにある”と言えるのが書籍の強みですね。今後も書籍による情報発信は重要な戦略の一つと位置付けていきます。

※ブックマーケティング®、戦略出版®は(株)パスメディアの登録商標です。

エヌ・アール・ダブリュージャパン(NRW Japan K.K.)代表取締役社長 ゲオルグ・K・ロエル氏

ブックマーケティング<sub>®</sub>と戦略出版<sub>®</sub>のエッセンスが込められた最新刊

主藤孝司社長の著書『企業出版入門』〈キャリア教育出版®:32000円+税〉はブックマーケティング®と戦略出版®のノウハウが日本出版学会での研究成果の発表とともに詳しく紹介されている。影響力のある情報発信を考えている企業家は必読。
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週刊ダイヤモンド2013年8月10・17日合併号と同時掲載
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