小さな企業が、資金や人材で優位に立つ大企業に対抗するには、「機動力」を高めることが必要だ。つまり、「個人のアイデアを素早く製品・サービスに結び付ける」「問題発生時のスピーディーな対応」など、小回りのよさを生かすこと。そこで欠かせないのが、社員同士のコミュニケーションを促進し、経営者が社内外の情報を迅速・的確に把握できるような仕組みである。小規模企業の経営強化策を、想定事例を基に考えてみよう。

現場の情報を、社長がタイムリーに  把握できる仕組みはあるか?

 少人数の会社では、社長が社内のあらゆる情報を把握し、経営判断を行っていくことが求められる。「現場とトップの"距離"が広がるほど、情報の質も鮮度も落ちる」とはよく言われるが、大企業の多くはこの点で課題を抱えている。社長によるスピーディーな状況判断で社員に直接指示を出せる点は、小さな会社ならではの強みだ。

 しかし実際には、忙しすぎて時間がなく、すべての情報を把握できていないと感じている社長も多いのではないか。そうなれば、的確な経営判断はできなくなり、小さな企業ならではのスピード感も失われてしまう。

 この問題に対処するには、情報を効率的に入手できる仕組みを構築することが必要だ。しかも、今までの半分の時間で、倍の量のインプットを可能にするような仕組みであれば、経営判断の精度も高まる。そのような仕組みをどのように構築すればいいのか、想定事例で解説していこう。

<想定事例1>  義務的に書かれただけの日報では何もわからない!

 A社の社長は、営業から人事、経理まで一人で何役もこなしていた。営業担当者全員の日報をチェックするのも社長の仕事だ。日報には重要な現場の生の情報が隠されているはずだが、単にその日の行動を羅列してあるだけなので、重要なポイントがつかめない。また、紙の日報を各社員がファイルにまとめるだけの保管方法だったため、後から情報を探すこともできなかった。社長はそんな日報のあり方に疑問を持っていた。

 そこで対策として「サイボウズ Office」を導入。全社員に公開された「掲示板」に、日報を記入させることにした。ポイントは、他の社員が気が付いた疑問・意見などをひと言加えるルールを設けたこと。これによって単なる日報が立派なレポートになり、問題点や改善すべき項目なども把握できるようになった。

 また、「重要情報は即座に『掲示板』に」を徹底させ、日報をスマートフォンや携帯電話から入力することも奨励して、社員のアウトプットの速度を向上させた。この結果、社長は現場からリアルタイムで情報を集約することができ、迅速かつ柔軟な意思決定を下せるようになったのである。

少人数だからこそ、  知識やノウハウを結集する必要がある
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