俺とZENITH 第5回 腕時計や服は「自身の満足」のために、自然体で選びたい!

エル・プリメロ クロノマスター パワーリザーブ シャルル・ベルモ EL PRIMERO CHRONOMASTER POWER RESERVE Tribute to Charles Vermot
時計師シャルル・ベルモは、1970年代、クオーツの台頭により「エル・プリメロ」の資料や金型の廃棄を命じられたが、これを隠して再興の時を待った。その功績をたたえる記念モデル。自動巻き、アリゲーターストラップ。87万円
男として、父として生きるアラフォー世代のライフスタイル誌として創刊した「オーシャンズ」が今年9年目を迎えた。変わりゆく社会や環境に戸惑いつつも、人生を楽しむ男たちの福音として愛読されている。逆境にも負けず、自分らしさを貫き、等身大で作ってきた誌面は、ゼニスの時計作りとも通じ合う。
「オーシャンズ」
2006年創刊。毎月24日発売。男として磨きがかかる“成熟過程”の37.5歳を読者の平均年齢に想定。男、父として、男くさくもスマートでありたい読者のために、実用的なライフスタイル全般のコンテンツを提供。
「オーシャンズ」発行人 兼 編集長 太田祐二氏
1972年生まれ。大学卒業後ブリヂストン入社。2000年に編集者へ転職。「LEON」編集部を経て、2006年「OCEANS」創刊に携わり、08年より現職。趣味はサーフィン。

 始まりは逆風の中だった。ちょうど創刊2年を迎えた時に太田祐二氏は編集長に就任。だがそれまでの「父と子」を前面に出した誌面は育児誌的な印象が強く、本来求めていた「男として格好良く楽しく生きる」という要素に欠けていた。売上も低迷…。

「コンセプトは間違っていないはず。ならば、やり方を変えようと決心し、“いい大人”の飾り過ぎない男くささを徐々に強調して、自分の好きなテイストへシフトしました」

 37.5歳の読者平均年齢をアピールしたのは、アンケート結果もあるが自分が同じ年頃だったから。誌面にスーツファッションがほとんど登場しないのもいつも自分がTシャツスタイルだからだ。そして逆境はヒット企画も生み出した。いまではメンズ各誌が追随する街頭スナップ特集=“街角パパラッチ”だ。

「読者スナップ自体は他誌もありましたが、取材場所を事前に告知せず、日本のアラフォー世代から70歳までの一般男性がこれだけ大勢登場する企画はいまだかつてありませんでした。生々しいのですが、そのリアリティが支持されています。氏名と年齢のみで職業は載せないので、読者が自分自身と素直に比べられる。ベンチマークにすることでおしゃれが身近になり、楽しくなるのでしょう」

 子育て世代は可処分所得も自由な時間も限られている。だがそれだけに知識は深く、自分らしいアレンジ術にもたけているという。ファッションしかり、時計もしかり。

「街角パパラッチでも、自分が気に入った時計を自由に着けている様子が分かります。セオリーにとらわれず、どんな服にも自然体で合わせる。周囲に自慢したり威張るためではなく、自分が満足できる時計を選び、さらりと着けこなしているのです」

 一番大切なのは、ブランドの威光ではなく自分らしさ。時計なら、まずそのモデルやデザイン自体に興味や愛着が湧くかどうかが大切。そうした志向の読者にも、ゼニスは強く支持されている。

「高精度ムーブメントのエル・プリメロが、安くて正確なクオーツの登場により根絶の危機にさらされながらも、一人の時計師によって守り抜かれた──という男くさいヒストリーに共感しますね。機械式時計の心臓部がのぞくオープン文字盤は、マニュファクチュールの作らしい顔つきでいい。ゼニスらしさが伝わる時計が戻ってきたと実感しました」

 大人の男の階段を上り始めたオーシャンズ世代にとって、まさに心の琴線に触れる一本なのである。

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週刊ダイヤモンド2014年10月25日号と同時掲載

text: Mitsuru Shibata/photograph: Masaru Suzuki/direction: Ken Sudo(Diamond-Big)

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