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民主党政権が実現すると、何がどう変わるか? 神保哲生

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圧勝した民主党政権の最大の使命は「ガバナンスの回復」

 当面マスメディアは、組閣人事や首相のプロフィールといった、表層的で一般受けするニュースを重点的に報じるだろう。もちろんそれはそれで意味はあるが、今の日本が置かれた状況を考えれば、とてもではないが政権交代という「お祭り」に浮かれている場合ではない。有権者は政権公約の実行の進捗状況や、その前提となる人事や制度改変などに、目を光らせていく必要がある。

 たとえば、官僚を束ねる事務担当の官房副長官人事などは、民主党の改革の本気度を見極める上で重要だ。また、本気で情報公開を進めなければ、かねてから鳩山由紀夫代表が主張してきた「政治を官僚から国民の手に取り戻す政治」は夢物語になるので、その点のチェックも欠かせない。

 民主党政権では、1人1人がそうしたニュースの「ツボ」を意識することが大切だ。自民党時代のように、いったん選挙が終われば政治のことは政治家と官僚にまかせておけばいいという「まかせる政治」感覚からは卒業すべきだろう。

財源問題以前に問われる重要な問題

──秋にはさっそく予算に関する審議が始まるが、財源問題はどうなるか?

 財源問題はたしかに重要だ。どんなにいい政策を約束していても、そのための財源を捻出できなければ、空約束となる。

 民主党の説明では、抜本的な予算の組み替えと徹底したムダの排除で、必要とされる17.5兆円の財源は捻出できるということだが、その説明に対して多くの論者は「そんなに捻出できるはずがない、民主党の考え方は非現実的だ」と言って批判してきた。

 しかし、私の考えはちょっと違う。エコノミストや財政の専門家には怒られてしまうかもしれないが、私は現時点ではそうした財源論争自体がナンセンスだと考えている。

 民主党の福山哲郎政調会長代理は、選挙前の私のインタビューに対して「実際に今の政府にどれだけのムダがあって、われわれが政権を取ったときにどれだけのムダを省けるかについての具体的な数字は、実は政権を取ってみなければわからない」と答えている。たぶんそれが正直なところだろう。そんな頼りないことでは困ると考える人もいるだろうが、これこそが今の日本の“官主主義政治”を如実に物語る、おそらく日本の最大の問題だと私は思っている。

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著者プロフィール

神保哲生
(ジャーナリスト)

1961年生まれ。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。AP通信などを経て1994年独立。以来、ビデオジャーナリストとして活躍。2000年1月、日本初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を設立し代表に就任、現在に至る。

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