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「脳」がわかれば「なぜ?」がわかる!

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突然「おふくろの味」を思い出すのはなぜ?

──忘れたはずの記憶が甦るしくみ

人間は、脳あってこその存在。人の行動、思考、感情、性格にみられる違いの数々は、すべて脳が決めているのです。「心の個性」それはすなわち「脳の個性」。私たちが日常で何気なく行なっていることはもちろん、「なぜだろう?」と思っている行動の中にも「脳」が大きく絡んでいることがあります。「脳」を知ることは、あなたの中にある「なぜ?」を知ることにもなるのです。この連載では、脳のトリビアともいえる意外な脳の姿を紹介していきます。

数年ぶりでも
なぜスキーはできるのか?

 数年ぶりにスキーをする人は、いざゲレンデに立ったとき、完全に滑り方を忘れているでしょうか。そうではありません。本人は滑り方を忘れたと思い、ゲレンデに立つのを怖がったりしますが、ゲレンデに立ってみると、思いのほか、身体が滑り方を覚えていたりするのです。少し練習すれば、たちまち昔の感覚が甦ってきます。

 これは、いったいどういうことなのでしょうか。

 この場合、本人はスキーを忘れたと思っていても、脳がスキーの滑り方を記憶していたのです。ゲレンデに立ったときその記憶が甦り、少し練習したあとは、以前と同じようにスキーを楽しめるのです。

 スキーは記憶のタイプでいえば身体で覚える「手続きの記憶」、別名「技の記憶」にあたります。

 身体で覚える、というのは、たとえば一度自転車の乗り方に習熟すれば、それ以降忘れることはありませんよね。つまり、身体で自転車の乗り方を記憶しているのです。それが「手続きの記憶」です。

 しかし、古い昔のことをたやすく思い出せる点は、頭で言語や図形を覚える陳述的記憶でも同じです。

 忘れたと思っていたのに、実際には忘れていなかった。それは不思議な体験には違いないでしょう。

 あることをふいに思い出す…、それは記憶が意識の世界に浮かび上がってきたとも考えられます。いつもはそんなことを意識するはずがないのに、何かのきっかけで意識してしまうのです。

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著者プロフィール

山元大輔 [監修]
(東北大学大学院生命科学研究科教授/理学部生物学科教授)

1954年東京都生まれ。東京農工大学農学部卒業後、同大学院農学研究科修士課程終了。理学博士(北海道大学)。ノースウエスタン大学医学部博士研究員、三菱化学生命科学研究所室長を経て、1999年から早稲田大学人間科学部教授。同大学理工学部教授を経て、現在、東北大学大学院生命科学研究科教授。同大学理学部生物学科教授。

この連載について

人間は脳あってこその存在。行動、感情、性格の数々はすべて脳が決めています。「脳」を知ることは、あなたの中の「なぜ?」を知ること。当連載では、脳のトリビアともいえる、意外な脳の姿を紹介していきます。

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