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地球環境を守る「フード・マイレージ」という考え方

 このところ、ウナギや飛騨牛など、産地偽装問題が次々と明るみになっている。これだけ不祥事が連発すると、もはや怒りを通り越して、諦めを抱く消費者も多いのではないだろうか。

 そんな中、「フード・マイレージ」という考え方が注目を呼んでいる。「フード・マイレージ」は、1994年にイギリスの消費者運動家ティム・ラングが提唱した概念で、生産地から食卓への距離が短い食品を摂取すべしという考え方。これにより、環境の負荷を軽減できるという前提に則っている。日本では、2001年に農林水産省・農林水産政策研究所が初めて導入した。

 具体的なマイレージの算出方法は、食料の輸入国からの「輸入量」と「距離」(ただし、国内輸送は除外)を乗じ、その値が大きいければ、大きいほど地球環境への負荷が大きくなるとする。

 日本の食糧自給率は現在39%という状況であり、海外からの輸入に頼らざるを得ない中、フード・マイレージの取り組みも活発化しつつある。

 例えば、NGO「大地を守る会」では、輸入食料が運ばれる間に排出されるCO2量に着目し、100グラムのCO2を1poco(ポコ)という単位に置き換える。試算によれば、輸入小麦の食パン1斤では1.45poco、国産小麦の食パン1斤では0.35pocoと、輸入小麦との排出量に歴然と開きがあることがわかる。

 同会のこの取り組みは、環境省の平成17年度地球共同実施排出抑制対策推進モデル事業に選ばれており、一般の消費者に環境を身近に考える契機を与える取り組みとして、さらに注目されるだろう。

 フード・マイレージとともに国内でも「地産地消(ちさんちしょう)」という取り組みが徐々に現れてきた。身近なところでは地域の農産物を陳列したり、また本稿でも第97回「緑提灯」といった動きを見せている。

 さらには、この地産地消の対極の概念として、「フェアトレード」の考え方もある。これは、アジアやアフリカ、中南米など途上国の農村地域の人々に仕事を提供することで、彼らを支援することだ。日本の商業施設でも、フェアトレードで輸入された農産物が販売されているのを見かけるが、これは有機栽培の農産物を適正価格で購入し、途上国の経済的自立を促す試みだという。自然を壊さずにきちんと育て、持続可能な生産を支援して彼らの環境と暮らしを守る。これも重要なエコアクションといえるだろう。

 経済がグローバル化し、もはや食の問題は日本国内で完結するものではない。世界と手を携え、ともに食料や環境を守ろうという意識が個人レベルでも求められている。

(田島薫)

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