【第158回】 2009年02月12日
自宅で発電ライフ!
家庭用燃料電池「エネファーム」の期待度
今春、世界に先駆けて、家庭用燃料電池「エネファーム」が販売される。
家庭用燃料電池の研究は90年代から始まっており、2005年からは、経産省主導による定置用燃料電池の大規模実証事業が続けられている。モニターとして設置された家庭は、07年度までで2187台。08年度末までには、3307台が設置・稼動予定となっている。
「エネファーム」の最大の特徴は、「コージェネレーションシステム」であることだ。「電気」と「熱」のふたつのエネルギーを取り出すことができるため、家電製品への電源供給はもちろん、給湯などに利用することができる。排熱や送電ロスを抑えることができるので、一次エネルギーの利用効率を70~80%まで高めることのできる点が売りだ。エネルギー効率が高く、かつ、化石燃料への依存度が少ない燃料電池は、省エネであると同時に省CO2をも実現するというわけである。
仕組みを簡単に説明すると、まず都市ガスやLPガス、灯油などから水素を取り出す。それを空気中の酸素と化学反応させて直流電気を発生。インバーターにより交流に変換する。と同時に、発電の際の熱は回収されて、約60度のお湯が作られ、貯湯槽に貯められる。試算によれば、家庭全体の約42%の電力、および77%のお湯を供給することが可能だという。
モニター参加者の声も「電気代が少なくなった」「環境を意識するようになった」と概ね好評のようだが、一般販売にあたっての課題は、やはりコスト面。経産省が「民生用燃料電池導入支援補助金」として61億円の予算案を計上しているものの、それでも200万程度の価格となる。一方で、導入後の節約は「年間5万~6万程度」。低価格モデルが投入されるまでは、富裕層向けの商品となりそうだ。
価格面での調整がきけば、普及への次の鍵となるのは、「太陽電池とのハイブリッド化」だ。家庭用太陽光発電は、電力会社によるヒートポンプシステムとのセットで推し進められてきた感がある。だが、じつは「エネファーム」との相性も悪くはない。日中や夏季に威力を発揮する太陽光発電と、夜間や冬季に供給量の多くなる「エネファーム」とは、補完する関係にあるからだ。
事実、先頃発表された東京ガスの中期経営計画でも、「太陽光・太陽熱を取り入れた環境対応型システムの普及・拡大」は、「家庭用燃料電池の本格普及」の次に掲げられるほどの重要戦略に位置づけられている。また、昨年12月に三洋電機と資本・業務提携を結んだパナソニックは、その効果の筆頭として「ソーラー事業」を挙げている。「エネファーム」をプッシュする同社にとって、三洋電機の太陽電池技術は魅力的な存在だ。
家庭用燃料電池の投入で、ガス会社の巻き返しとなるのか? 電気とガスとの“ホット”な戦いが、本格的に幕を開けたといえそうだ。
(中島 駆)
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