【第215回】 2009年09月19日
「草食男子」のニーズを捉えた“少量パック”レトルト食品に注目
厳しい経済情勢のもと、独身男性のあいだでも「外食」を控え、「ウチ飯」=「内食」を増やす層が増えている。
「オトコの料理」といえば、材料や器具に凝る「やるからには本格派」タイプと、コンビニの食料品などで済ます「食欲が満たされればいい」タイプに二極化する傾向があった。だが、内食が日常化するにしたがって、ちょっと事情が異なってきたようだ。
仕事で疲れて帰って本格料理を一から作る余力はない。かといって、連日コンビニ弁当というのも少々不満。材料は手軽に、さほどのテクニックも必要もなく、短時間で作れて、それなりに手作り感覚が味わえて味もウマイ「ウチ飯」を食べたい――独身男性のあいだでもそんなニーズが高まっている。そうなると、レトルト食品など、「お助け食材・加工品」の出番だ。食品関連企業では、独身男性ニーズを意識しているのではないかと思われる商品が続々と登場している。
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| 永谷園「ちょっとがうれしい 小皿中華 青椒肉絲用」。ピーマンを加えるだけで一品できる手軽さも売り。野菜の下ごしらえができない「内食」男子でも大丈夫。 |
まずは、最近発売された永谷園の「小皿中華 青椒肉絲」。多様な種類が出ている中華調味料レトルトパックのひとつだが、この商品の最大の特徴は「少量化」。従来の3~4人のファミリーを想定ではなく、1~2人を想定した容量なのだ。
「オレの若い頃は、4人前くらい平気で食べた」と仰る方もいるだろうが、現在のM1世代(20~34歳男性層)は、「草食男子」という形容でもわかるように、小食傾向にある。そんな層にとっては、「これで十分」という人も多いのではないだろうか。
独身男性の「内食ニーズ」を考える際、「健康志向」というのもひとつのキーワードだろう。(株)村上農園はその傾向を捉え、少量タイプの機能性野菜「ブロッコリースーパースプラウト ミニカップ」を発売した。
ブロッコリースーパースプラウトは、専用品種のブロッコリー種子を植物工場の中で3日間栽培した発芽野菜で、1997年、先端予防医学で有名な米国ジョンズ・ホプキンス医科大学教授のポール・タラレー博士が、がん予防研究の過程で開発した機能性野菜である。村上農園は、2001年より同大学とライセンス契約を結び、50gのファミリータイプのものを発売しているが、家族の少人数化に加え、単身者にも健康志向が浸透してきていることを踏まえ、少量タイプをラインナップに加えた。コンビニでの販売を視野に入れていることからも、有力なターゲット層として独身男性を想定していることが窺える。
「料理の腕も時間もないけど、本格的な一皿を楽しみたい」というM1独身男性にも受け入れられそうなレトルト食品も登場している。たとえば、日本ハムの「シチューハンバーグ」。食感にこだわったハンバーグを牛肉入りの特製シチューで煮込んだもので、「ハンバーグ」「シチュー」を別々に楽しむことができるあたりがミソだ。
売れ筋商品、トレンドを作るという意味では、女性や成熟層に押されぎみのM1層だが、食品という意外な分野で久々に注目されているようだ。
(梅村千恵)
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