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マーケットで成功するための投資の心理学

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マイナスや大台にこだわる投資家の習い

 相場でうまくやっていくには、そうした心理をどううまくコントロールするかを学ばねばならない(そうした心理を排除できればすむ問題かもしれないが、そうした心理は人間の性[さが]でもある)。

 私自身、相当な「こだわり人間」である。

 もっとも、少し自己弁護させていただくと、米国の行動経済学者らも同じことを認めている。大学の同僚に、連続して、ある「勝負」をすることを提案すると、確率的な有利不利は承知しているはずなのに(確率的には、おいしい勝負であることがわかっているにもかかわらず)、「途中の成果を教えないなら、やってもよい」と答えたという。つまり、「途中の成果を知ったら、その影響を受けるから嫌だ」というのである。

人のこだわりを利用する

 人がこだわる基準は、それに本当に意味があるか否かに関らず、重要なポイントになることがある。

 例えば、株価の大台にこだわることが経済的には無意味であることがわかっていても、現実には、皆がこだわっているのであれば、無視するわけにもいかず、むしろ積極的に利用したほうがいいということになる。私自身も、大台の手前で手仕舞ったりする。大台には、手仕舞いたい人が大勢いるからだ。基準に対するこだわりを捨てよというのではない。むしろ、利用するのだ。

 人は、損か儲けかに大いにこだわるものだ。損が大嫌いだからである。当たり前といえば当たり前なのではあるが、そのこだわりは異常といえるほどである。12万円の儲けと10万円の儲けは、心理的には大して違わないが、1万円の儲けと1万円の損では大違いだ。

 次回からは、それを具体的な質問に答えてもらうことで実感してもらおう。

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著者プロフィール

林康史
(立正大学経済学部教授)

大阪大学法学部卒。東京大学法学修士。メーカー・生命保険・証券投資信託・銀行で、海外営業・外国為替ディーラー・ストラテジストなどを経験した後、2005年4月から現職。投資の心理に関する著訳書多数。最新刊に、『決定版 株価・為替が読めるチャート分析』(日経ビジネス人文庫)、『バリュー投資』(日経BP社)。

立正大学経済学部では、「投資入門(テクニカル分析とシステム入門)」をテーマとする公開講座を開催します(4/14、4/21、4/28。受講料は無料)。講師は林康史氏。問い合わせ先:立正大学経済学部 TEL: 03-3492-7529 E-mailメール: eco@ris.ac.jp

この連載について

長年金融の実務に携わってきた著者が、相場における成功や失敗の原因を、人間の心の働きと経済の関係を研究する行動経済学の立場から解き明かす。

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