【第1回】 2008年10月01日
“男が生きにくい時代”だからこそ望む「男の復権」
今の時代、男性が生きていくのは困難だ。だからこそ、「男の復権」が必要だ――。
いつの間にか失われてしまった男性の権利や力。女の私がそれを望むのはおかしいと思われるかもしれないが、女だからこそ男に望むのである。こんな時代だからこそ、男の力が必要だと言える。
それは、男が逆立ちしたって子どもを産むことができないのと同じように、女がいくら踊ってみても男にしかできないことがあるからだ。だからこそ男性が力を確認し、自信をもってその力を行使できるよう努めてほしい。
私が「男の復権」
を望むワケ
私が夫婦・家族問題コンサルタントとして相談業務を行う件数は、もう1万件近くになる。その対象は女性だけだと誤解され、「女の味方」だとみなされることも多いが、私は性別で敵味方を分けたりはしない。
クライアントは男性が4割、女性は6割。わざわざ予約して有料相談に来所しなければならないほどしんどい状態のなかで男も女もあるもんか。このスタンスで行なっている。
たとえば、ご夫婦揃ってのご相談で、妻が悪しざまに夫をこき下ろすのを目にすると、思わず夫側に立って彼の言葉を代弁してあげたくなる。代弁するのは、あまりにも長い間彼は妻から虐げられ続けてきたから。子どもを完全に支配し味方につけた妻は、子の父である彼に対して子をけしかけ暴力を振るわせることすらある。
家の中で孤立させられた夫である父は、家族に向けて何ひとつ表現できなくなっている。家族をはじめとする人間関係の中で悩むとき、男性の傷は深く、彼らは長い苦しみを抱える。痛々しい。
だからこそ、男性の味方をしたい。気の毒なだけでなく、2人の間にある子どもが育たないから。母親から躾けられ、父親から教えられて育つのが子どもである。親は、子どもを一人前にして社会に送りだす役割をもつはずなのに。
男性にとって逆境とも呼べる状態からの脱却には努力が必要だが、あなたには前の世代を払拭し力を得てほしいと望むし、できれば、カッコいい男になってほしい。
カッコいい男というと、イケメンやジャニーズ系、ちょい不良オヤジを思い起こされるかもしれないが、違う。それらは断じて違う。頭や体の弱そうなペット君ではない。
大人の男になるのは
そんなに難しいこと?
今、日本では「武士道」や「国家」を語ることが流行っているが、そんなに高い精神論をここで語るわけではない。それほど高尚なものではない。いってみれば、あなたが1人の大人の男として、ごく当たり前のことができる人であってほしいと望むものだ。
自身の価値観を知り、自らできることとできないことを知り、礼儀をもって人と接する。これらは生まれ育った家庭において培われるものだ。母親から躾けられ、父親から教えを受けることで基本はじゅうぶんに育つ。
しかし、躾けられ教えられていないからと拗ねることはない。学ぶこともできる。それが学校や社会といった教育の場でもある。
大人の男になるのは、なにも難しいことはない、簡単だ。
外国語の習得ほども困難ではない。なぜなら、日本の文化を少しだけ思い出し、軽く身に付けなおすだけのことだから。
今の日本には、日本語で文化を語り体現することのできる当たり前の男が少なくなっている。だからこそ、女というフィルターを通して見えてきた男たちの姿を伝えつつ、次回より、「男の復権」を目指すための具体的な提案を行なっていきたいと思う。
<次回に続く>
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著者プロフィール
- 池内ひろ美
(夫婦・家族問題コンサルタント)
1961年岡山市生まれ。96年「東京家族ラボ」を設立。精神科医、弁護士等と協力体制をとり、総合的な家族問題カウンセリング等を行なう。テレビ出演や講演も多数。著書に「夫婦再生レッスン」(健康ジャーナル社)、「良妻賢母」(PHP新書)ほか。
・池内氏主宰サイト「東京家族ラボ」、「ファミリー・クラブ」、「家族マネジメント力養成講座」、「映画大好き」
・池内氏ブログ『池内ひろ美の考察の日々』
この連載について
夫の平均小遣い36000円、失われる父親の威厳、激増する熟年離婚、etc・・・。男が生きにくい時代だからこそ、もっと素敵な男性が増えてほしい。女というフィルターを通して、『男の復権』について考える。
背筋を伸ばせ。けちなプライドは捨て、自らの誇りを大切にせよ。本物のカッコよさを知る大人こそが愛される。女が語る男の正義。もっともっと素敵な男が増えてほしい。 1500円(税込)
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