【第2回】 2009年05月19日
部下とのコミュニケーションこそが
組織を成長させる!
軽視されてきた
社内コミュニケーション
講演や研修などで企業を訪れるたびに、痛感させられることがあります。それは、ほとんどの企業でコミュニケーションが軽視されているということです。
ここ数年、ビジネスの世界では人材育成の必要性が叫ばれ、多くの企業で社員の能力を高めるような取り組みがなされています。
社員の創造性を高める研修を積極的に行なったり、能力主義にもとづく評価制度を導入したり、トップダウン型の組織図を見直したり、あるいは情報の共有化を図るためにネットワークを構築したり……。実際、かなりの時間と労力が投入されています。
けれども、ここで誤解が生まれているのです。あたかも、これらの取り組みを必死で行なえば、社員は能力を開花させ、社内の情報の流れも良くなって、組織が活性化するような印象すら受けます。
しかし、本当にそうなのでしょうか。たしかに、それぞれの試みは大切ですし、それなりの効果は見込めるでしょう。ですが、肝心のコミュニケーションが満足に行なわれていなければ、どの試みをとっても十分な効果は見込めなくなってしまいます。
これらの試みは、いずれも部下を束としてみています。しかし本当は、束の中には一つひとつ表情があって、その表情の人たちが心からやる気にならないかぎり、組織は変われないのです。そのためには、表情を持ったリーダーが、表情を持った一人ひとりの部下と対話し、部下が何を考えているのか、部下の個性をどうすれば引き出してあげられるのか、それを真剣に考えて行動に移さなければなりません。
ところが残念なことに、日本の企業ではこれまでコミュニケーションが軽視されてきました。現在も同じです。「コミュニケーション能力というものは人から教わるものではなく、自然に身につくもの」という考え方をしている人が実に多いのです。学校でも、コミュニケーションに関する学習やトレーニングが驚くほど軽視されてきました。
学校でも企業でも、あらゆる組織は人の集団です。人の集団である以上、コミュニケーションほど重要なものはありません。情報伝達にしても、意思の疎通にしても、ベースには人と人との心のキャッチボールが存在しているからです。
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著者プロフィール
- 衛藤信之
(心理カウンセラー)
日本メンタルヘルス協会代表。心理学の学派や権威にとらわれずに、難しい理論を面白おかしく説明できる逸材として、語りでは吉本風心理学の異名をとる。心理カウンセラーのなかでは顧問企業数はトップクラス。講演や研修を行うかたわら、全国で心理学のゼミナールを開催。著書に『心時代の夜明け』(PHP研究所)などがある。
この連載について
権威をふりかざしたリーダーシップではいつまでたっても部下は思い通りにならない。人間心理を踏まえた部下とのコミュニケーション術や魅力あるリーダーになる方法を紹介する。
権威をふりかざしたリーダーシップではもはや通用しない!上司には人間心理を踏まえたリーダーシップが必要だ。部下の能力を高め、自発性を引き出すためのコミュニケーション術を紹介する。 1400円(税別)
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