【第7回】 2009年01月20日
部下の言葉に“生返事”してませんか?
「傾聴」できない上司が失う「部下の信頼」
――[適度なかまい方 5か条] その(1)「傾聴する」
前回は、「良好な関係性がないと、たとえ上司が部下をほめても、部下の責任感は低下する」という研究結果について述べました。それでは、どうすれば良好な関係性を持てるのか。そのための方法を『適度なかまい方 5か条』としてまとめてみました。
「一人前」への途上である若手は、日々不安や困惑に直面しています。それをうまく継承しつつ、信頼関係を構築するために必要なのは、実は本当にささやかなコミュニケーション努力なのです。
若手にとって
上司と“腹を割って話す”のは難しい
正月気分も抜けきらない1月某日、ある大手企業の社員研修にお邪魔しました。対象は昨年4月に入社した1年目社員。いわゆるフィードバック研修で、100人を4グループに分けて実施されました。この研修に、私たちが開発した研修ツール「ザ・ファースト・ステップ『一人前の仕事力』」を使っていただいたため、それが実際どのように活用されるのかを見せていただいた次第です。
研修内容の一端をご紹介すると、配属からここまでの仕事経験から、よかった点、反省点を振り返ります。その上で、「PDCA」の回し方について理解してもらいます。
内容もさることながら、ここでご紹介したいと思ったのは、入社1年目の社員たちが年明けのこの時期に、どんな心持ちで仕事をしているのかについてです。
全国の拠点から集まった1年目社員たち。一堂に会するのは、入社直後の新人研修依頼ということでした。久々に顔をそろえた彼(女)らは、右も左もわからなかった入社直後から、半年強の仕事経験を重ね、お互いが少し大人びた表情になっていることを発見して、再会を喜びます。
事後に書いてもらった研修の感想文からは、充実感と不安感とが率直に書かれていて、興味深いものがありました。その中でも、若手の心境を代表するものとして私が注目したのは、次の感想です。
「同期の友達と本音トークができたことで、悩んだり、困ったりしているのは自分だけではないことがわかりました」
これと同じような感想を書く受講者がとても多かったのが興味深く、また気になりました。つまり、同期の友達でなければ話せない本音がある、ということです。また、現場の上司・先輩など同僚が何人いようが悩んだり、困ったりしているのが自分だけではないことに気がつかない、ということも意味しています。
若手はみんな
「取るに足りないこと」で悩んでいる
それを受けて私が読者のみなさまに言いたいのは、「もっと親身になって、若手の悩みを聞いてやれ」ということではありません。悩みを抱えていないかどうか慮ることは必要でしょうが、「若手の悩みについて把握することには限界がある」ということこそが言いたいことです。
もちろん若手のタイプもさまざまですから、自ら進んで悩みの相談をする部下や後輩もいるでしょう。でも、若手にとって、あなたは必ずしも気軽に声をかけられる存在ではない、ということは理解しておくべきかもしれません。偉そうに言ってますが、私も同じ。うちの新人ナカムラに言わせれば、「いつも忙しそうにしているし、間杉さんに声をかけるのは難しいんです」と言われたことがあります。
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著者プロフィール
- 間杉俊彦
(ダイヤモンド社 人材開発事業部副部長)
1961年、東京都生まれ。86年ダイヤモンド社に入社し、「週刊ダイヤモンド」記者として流通、化学・医薬品、家電、運輸・サービスなどの各業界を担当。同誌副編集長、マネー誌「ザイ」副編集長を経て、06年より人材開発事業部副部長。08年9月29日に発刊された週刊ダイヤモンド別冊「ダイヤモンドing(イング)」では編集人を務める。『若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル』『なぜ職場で人が育たなくなったのか』を連載中。
この連載について
若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。
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