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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

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データ保存の基本思想に大転換を迫るグーグルのGmail

 私は、去年の4月から、メールの送受信にグーグルのGmailを使っている。

 それまでは、日本のあるプロバイダが提供するメールサービスを利用していた。1980年代の、まだ「パソコン通信」(なんという懐かしい名前だろう!)と呼ばれていた時代からである。このサービスが開始されてまもなく使い始めたので、ほぼ20年間使ったことになる。1990年代の中ごろ、それまでパソコン通信を使っていた人たちがつぎつぎとインターネットメールに移行していったときも、「律儀に」ここにとどまった。

 しかし、最近になってとみに使い勝手が悪くなったと感じたので、離れざるを得なくなった(ただし、元のアドレスに来たメールはGmailに転送されるようにしてあるので、アドレス変更の通知を出す必要はなかった)。

 Gmailが前のメールサービスと決定的に違うのは、ログの保存容量がケタ違いに大きいことだ(約6GBまでは無料でグーグルのサーバーに保存してくれる。有料の拡張サービスもある)。

 このことは使う前から知っていた。そして、このサービスはたしかに便利だ。「処理しないでいたメールがいつの間にか消去されてしまい、あわてた」という経験を、これまで何度かしたことがあるからだ。

 使い始めてから、メリットはそれだけでないことがわかった。とりわけ驚嘆したのは、強力な検索機能だ。グーグルの検索エンジンで検索しているのだから強力なのは当たり前とも言えるが、使うまでは、それがいかに有用かがわからなかった。どのように有用かを、以下に述べよう。

 まず、相手の名前で検索すれば、その人との交信記録だけが取り出される(別の人とのメールにその名前がある場合も表示されるが)。したがって、ログの中からいちいち相手を探す手間が要らなくなる。メールを取り出したら、「返信」としてメールを送ればよいから、アドレス帳を管理する必要もなくなる。

 いくつかの仕事を同時並行的に進めている場合、相手方の名前で関連メールを取り出せば、その仕事の進行状況が把握できる。たとえば、「これまでにどれだけの要請をいつ受けており、こちらからはどれだけ対応したか」などがすぐに把握できるだろう。それを参照しながら、「対応が遅すぎないようにするには、いつごろまでに何をすべきか」といった「段取り」を組むこともできる。また、約束した内容、締め切りなどをいちいちメモしなくとも、メールを見ればすぐに確認できる。

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著者プロフィール

野口悠紀雄
(早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授)

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『「超」整理法』シリーズ、『資本開国論』『モノづくり幻想が日本経済をダメにする』等がある。 野口悠紀雄ホームページ

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この連載について

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