【第10回】 2009年06月19日
資本増強は「焼け石に水」?
公的資金の影が忍び寄る“過小資本”メガバンクの苦悩
いきなり、お詫びの話から始めさせていただく。
前回(第9回)で扱った「流通コストを最小にするネットワーク問題」について、「計算に誤りがあるのではないか?」という、ご指摘のメールを数多くいただいた。
確かに、その通りであった。いまは修正されているが(修正内容はこちら)、数字を扱う職業に従事する者として重大なミスを犯したものであり、ここに深謝する。
本連載は、筆者としてはかなり力を入れて執筆している。それだけに、今回のミスに対する読者側からの反応は、筆者として実は非常に嬉しいものがあった。両脇を締めて「よしっ!」と気合いを入れ直しているところである。
銀証の融合⇔分離の歴史は繰り返されるのか
ということで、今回の本題に入ろう。
前回までに取り上げた小売&流通業界は、そのほとんどが2月または8月決算だ。第9回コラムのセブン&アイ、イオン、ローソン、そして第8回コラムのニトリやポイントは2月決算であり、第7回コラムのファーストリテイリング(ユニクロ)は8月決算である。
これは「ニッパチ」といって、2月と8月は在庫の谷となり、実地棚卸が他の月に比べると楽になるからだ。それでも製造業などに比べると、在庫点数ははるかに多いのだが。
今回取り上げる銀行業界は、そのすべてが3月31日決算である。これは別に、この日の現金残高が最も少ないからではない。銀行法17条において「銀行の事業年度は4月1日から翌年3月31日までとする」と法定されているからである。
銀行業界が横並び体質だと揶揄(やゆ)されるのは、事業年度の枠を法定されているところから始まっているのかもしれない。
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著者プロフィール
- 高田直芳
(公認会計士、公認会計士試験委員/原価計算&管理会計論担当)
1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月より公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。
「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。
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この連載について
大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。
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