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出口治明 ライフネット生命社長インタビュー
「私はなぜ生命保険の原価を開示したか」

商品の原価は、生命保険会社のみならず、あらゆる企業にとって“秘中の秘”である。それをインターネット専門の保険会社であるライフネット生命は公表してしまった。顧客からは支持、業界からは怨嗟の声が入り混じる。出口治明・ライフネット生命社長は、「生命保険の比較情報がない現状が異常」とし、「今の日本には安い生命保険こそ必要だ」と訴える。

出口治明 ライフネット生命社長

はじめに

保険契約者が支払う保険料は、将来の保険金支払いの原資である「純保険料」と保険会社の運営経費である「付加保険料(手数料)」の二つに分けられる。「付加保険料」には営業職員の人件費、代理店手数料、保険会社の利益等が含まれるから、保険会社は当然、開示などしたくない。そのタブーを、ライフネット生命が破った。

―あらゆる企業にとって秘中の秘である「商品原価」を公表したのはなぜか。

 生命保険は多くの人にとって、一生涯において住宅に次いで高い買い物だ。それほど高い買い物であれば、比較して納得して購入していただくことが、一番大切だ。あらゆる企業にとって秘中の秘とおっしゃるが、自動車や家電は、カーオブザイヤーや商品テストなどのさまざまな比較情報が巷にあふれている。そもそも見て触って確かめられる。原価を公表する必要はない。

―生命保険には比較情報がないから、原価を公表するしかないということか。

 そうだ。生命保険には比較情報が、社会に存在しない。お客様が比較して納得して買うことができない現状で、メーカーとしての生命保険会社ができることはなにか、と考えた。

  生命保険は免許事業であり、さまざまな規制があるが、2006年4月に保険業法の改正が実施され、付加保険料に関しては経営判断に委ねる方向に規制が緩和された。それなら、経営判断によって開示もできるし、踏み切ろうと決めた。

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著者プロフィール

辻広雅文
(ダイヤモンド社論説委員)

1981年ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属後、エレクトロニクス、流通などの業界を担当。91年副編集長となり金融分野を担当。01年から04年5月末まで編集長を務める。主な著書に「ドキュメント住専崩壊」(共著)ほか。

この連載について

政治・経済だけではなく、社会問題にいたるまで、辻広雅文が独自の視点で鋭く斬る。旬のテーマを徹底解説、注目の連載です。

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