【第5回】 2009年07月30日
無意識に上司を挑発するワガママちゃんに
振り回されない鍵は、“心の余裕”にあり
職場のワガママちゃんには、論理的に説教、説得をしても無駄であり、むしろ、そのことが彼らの持っている攻撃性を煽ってしまい、結果としてトラブルを招くことになる、というメカニズムを、前回、お話ししてきました。
上司である皆さんは、彼らのワガママな行動や多罰性の根っこにある「赤ちゃん返り」のメカニズムを理解したうえで、成長を支援する姿勢を崩さずに対応することが大切です。ただ、そうは言っても、ワガママちゃんに対して、感情を抑えきれないこともあるでしょう。今回は、皆さんの心の中に沸々とわき上がる「陰性感情(怒りや憎しみなどのネガティブな感情)をどのようにコントロールしたらよいか」 についてお話します。
渋滞中に横入りされると
「戦闘モード」になりますか?
まず、皆さんご自身で振り返ってみてください。通常、「嫌なこと」に直面したときに、どのように反応しているでしょうか。
人は、嫌なことに出会うとそれを認識し、五感が反応します。しかし同じ嫌なことでも感じ方は人それぞれです。つまり「嫌なこと」や「ストレス」は、主観的なものだということです。ですから、まずこの認識(認知)のステップで、「嫌なこと」の度合いをことさら大きくしないようにすることが効果的です。
●「まあ、こんなこともあるさ」と認識できるか?
● 「これは一大事だ」と認識するか?
もちろん緊急性にもよりますが、実は日頃から私たちが直面している問題は、一拍おいて、一息おいて、対処しても大丈夫なことが多いものです。
しかし精神的な余裕がないときほど、私たちは自分にとってネガティブに感じる状況に対して過剰に反応します。
たとえば、道路渋滞中に他の車に横入りされる場合です。もし家族でのんびり、日曜日のドライブで、和気あいあいと楽しく、時間の制約もなく運転していれば、横入りの車がいても、「イラッ」ときませんね、寛容になれます。しかし、営業のアポイントに遅れそうで、ギリギリの時間で急いでいるときに横入りされれば、クラクションを鳴らす、睨むなど、不快な感情を行動に表すはずです。
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著者プロフィール
- 松崎一葉
(筑波大学大学院 社会医学系 教授)
1960年生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程修了、精神科医、医学博士。東京都庁知事部局健康管理医、宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任研究員、茨城県警察本部健康管理医のほか、企業の精神科産業医として国内外で活躍。著書に「会社で心を病むということ」(東洋経済新報社)、「もし部下がうつになったら」(ディスカバー携書)など。
この連載について
「傲慢なのに打たれ弱い」未熟なワガママ社員が増え、多くの管理職が振り回されている。しかし、対処法を間違えば、彼らは「うつ」になるケースも。彼らとどう付き合っていけばよいのか、その方法を紹介していく。
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