【第106回】 2009年12月14日
アクティブファンドを買う理由は何か
日頃当たり前だと思っていることでも、データに当たると当たり前でない場合がある。先日、少々心配になって、アクティブファンドの運用成績について調べてみた。
「日本経済新聞」(4月12日朝刊)の調べによると、2008年までの10年間で、「国内株式型・一般型」の投資信託(08年で431本)の半分以上のファンドが年間の運用利回りでTOPIX(東証株価指数)の利回り(配当込み)を上回った年は3回しかなかった。また、ファンドマネジャーは「運用成績は長い期間で見てくれ」としばしば言うが、5年間の通算パフォーマンスでインデックス型投信の利回りを上回ったアクティブ型投信の比率は3割前後しかないという(「日経」5月18日朝刊)。運用業界にとっては不都合なデータだが、これは古くからいわれていることで、意外感はない。筆者は安心した。
外国株の場合はどうか。バンガード社のホームページを見ると、米国の大型株式アクティブファンドが市場インデックスに「負けた」割合は、20年の累積利回りで68%、10年の累積利回りでも53%になるという。また、米国のグローバル株式型のアクティブファンドが市場インデックスに負けた割合は10年の累積で57%、5年の累積では70%になるという。米国のファンドマネジャーは真のプロだからその多くが市場インデックスに勝っている、などということはない。アクティブ運用で見たときに、内外の運用者の能力は似たようなものなのだ。こちらも、筆者としては「そうだろう」と思うデータだが、「海外のプロの運用」を商売にしたい人にとっては不都合な事実だ。
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著者プロフィール
- 山崎 元
(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。
この連載について
12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。
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