【第10回】 2009年05月19日
究極の節税法「パーマネントトラベラー」
若い富裕層も考え始めたPT
「最近、カントリーリスクを気にするようになりました。これからは、日本一国だけで暮らすということにどことなく不安を感じています。税金はもちろん、地震や年金、将来を考えると海外での生活ということも少し考えてみたい」
これは、資産規模が10億円を超える40歳代の会社経営者の言葉だ。今回YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)が「パーマネントトラベラー」(PT)を取り上げる大きなきっかけともなった。
PTとは、文字通り「終身旅行者」の意味で、高額な税金の支払いに悩んだ海外の富裕層の間で認知されているライフスタイル。どこの国にも定住せずに、旅行者として一生を過ごすというもの。将来に対する漠然とした不安や、常に付きまとう税金の問題もあり、特に若い世代の富裕層の間ではPTを考えている人もいるようだ。
この動きを、日本でPT研究の第一人者でもある木村昭二氏はどう見ているのか。
「カントリーリスクといえば、一般的には、政治的に不安定であるとか、マクロ経済の面で脆弱であるといったことがまずイメージされると思います。日本は平和ボケしていますが、北朝鮮リスクを負っていることは間違いないと思います。また、日本には大震災のリスクがあります。そのようなリスクのある国に資産や事業など全てのもの置いておくことが果たして得策なのでしょうか? 万が一のことを考えれば若年層の富裕層は、実行する、しないは別として一度は検討すべきだと思います」
PTを実行すれば、実際に日本国内で定住することはできない。ただ、あなた自身にその覚悟さえあれば、税金面の優遇はもとより、日本一国だけにとらわれることのない新しい価値観の世界も見えてくるかもしれない。日本国籍を捨てるわけでもなく、途中で嫌になれば、PTをやめて日本にいつでも帰ることができるという選択肢もあるので、一度は検討してみてもいいのかもしれない。
日本の非居住者になって節税
PTとは元々、高額の税金に苦しんでいた欧米の富裕層が実施していた。大まかに言えば、滞在日数がその国の税法上「居住者」になる前に転々と別の国に引っ越す。つまり、どこの国にも定住せず、一生、旅行者という身分であり続けるというライフスタイルのことだ。
PTの概念は、1964年にハリー・D・シュルツ氏が発表。その内容はセカンドパスポートを持ち、資産を自国外の安全な場所に置くことというものだった。さらに1989年にW.G.ヒル氏がPTを実践し「PT」という著書にまとめ、ここでほぼ現在の理論が固まったと言われている。
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