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藤井英敏 株式市場サバイバル!

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オバマ提案で、リーマン後の上昇相場は終止符を打った公算が高い

 オバマ大統領が1月21日、いきなり新たな金融規制案を発表しました。

(1)商業銀行に対して、自己資金勘定による高リスク投資を制限し、(2)ヘッジファンド、未公開株を手掛ける(プライベート・エクイティ・ファンドの所有・投資の禁止、そして、(3)全金融機関(銀行・投資銀行)の市場からの借り入れ(負債)に上限を設定するというものです。

 これがこのまま法案化されたら、米国のみならず、世界の株式市場の時価総額は急速に萎むことが予想されます。

 市場への資金の最大の供給元のひとつである米銀・投資銀行が自己勘定はもちろん、ファンド経由でリスクマネーを出せなくなるんですから。同時に、米株式市場中心に、著しく流動性が低下することになるでしょうね。

 オバマ大統領は演説で、規制を警戒するウォール街との駆け引きを戦争に例え「戦う用意はできている」とまで強調したそうです。

 ですが、これを最終的に法案として取りまとめるのは、ガイトナー財務長官です。ガイトナー長官は市場を熟知していますので、最終的には、無茶な法案にはならないと思いますが、最終案をみてみないと、市場の不安は収まらないでしょうね。

 おそらく、今回のオバマ提案は、リーマン・ショック後の財政・金融政策による緊急避難的な対応への終止符宣言だと思います。

米国市場は09年3月からの
上昇がいったん終了

 米国は、リーマン・ショックによる金融危機による実体経済への影響を最小限に抑えるべく、財政悪化を省みず積極的な財政出動を行い、FRBは非伝統的な超金融緩和・流動性供給を行いました。

 また、ストレステストを迅速に行い、市場の金融機関の財務に関する不安を払拭させたのです。これら08年10月以降の政府・FRBの迅速な行動を評価し、NYダウは09年3月6日の6469.95ドルを底値に、10年1月19日に10729.89ドルまで上昇したのです。

 しかし、今回の提案により(仮に、これがそのまま法案にならないとしても)、市場への米金融機関からのリスクマネー供給は著しく細ることが予想されます。よって、NYダウの09年3月から10年1月までのラリー(上昇)は、いったん終了した可能性が高いとみるのが妥当でしょう。

 当然これは、わが国株式市場にも影響を与えることが予想されます。

 具体的に予想される動きは、リスク許容度低下による外国人投資家の日本株売却と裁定ポジジョンの縮小です。

 外国人投資家の株式売却は、日本に限ったことでなく、世界的な株式のロングポジションに言えることで、日本固有の問題ではないでしょう。商業銀行が保有・投資しているファンドの解約に伴った、全世界的な動きの一環と考えます。

 また、裁定取引には多額の資金が必要です。市場からの負債に上限が設定されるなら、少なからず金融市場に信用収縮が発生し、その結果、裁定業者は従来のような多額の資金の借り入れは難しくなるでしょう。

 そうなると、業者は、必然的に、裁定ポジションはクローズすることを余儀なくされます。

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著者プロフィール

藤井英敏
(カブ知恵代表取締役)

早稲田大学政経学部卒。日興證券、フィスコ等を経て05年に「カブ知恵」を設立。説得力のある解説で個人投資家に絶大な人気を誇る。雑誌「ダイヤモンド・ザイ」で2000年創刊時からレギュラーアナリストとして活躍。

この連載について

「100年に1度」の急変相場を生き残る! 個人投資家から絶大な支持を得ている筆者が、相場状況に応じた投資スタンスを毎週直伝します。

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