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藤井英敏 株式市場サバイバル!

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今回の株価急落の原因をまとめる

 日経平均株価は、1月15日に10982.10円で目先の天井を付けた後、綺麗に下落しました。

 今回のコラムでは、なぜ、09年11月から気分よく上昇していた日本株が、このような急落に見舞われたかの原因を、サクッとまとめておきます。

 結論から言えば、(1)オバマ政権による金融規制強化、(2)中国の金融引き締めの動き、(3)ギリシャなどのユーロ圏の経済弱小国の財政懸念、の3点が主因と考えています。

 まず(1)については、先週の当コラムでコメントしています。基本的に、市場は、規制緩和は好きですが、規制強化は大嫌いです。

 今回の規制強化の動きを市場が嫌気して、下落するのは当然の動きです。ですから、オバマ大統領の金融規制改革案発表で、米国株が急落したことに、なんら違和感はありません。

 なお、米上院銀行委員会は、新しい金融規制案についての公聴会を2月2日に開き、ボルカー経済再生諮問会議議長(元米連邦準備理事会議長)が証言する予定です。

 ちなみに、オバマ大統領は新規制案を「ボルカー・ルール」と呼んでいるそうです。

 このため、ボルカー氏の証言が米金融界にとって厳しい内容なら米株式市場は「ショック安」となるでしょう。しかし、現実的な内容になるようなら、米株式市場はそれを好感し、自律反発に入る公算が大きいと考えています。

金融規制の“落としどころ”が見えてこないと株価は底を打たない

 ただし今週に関しては、金融機関の規制強化に関しては、もう「ひとヤマ」あります。それは、2月5、6日にカナダで開かれる先進7ヵ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)です。ここでは、米国などが提案している金融規制改革が主要議題になる見通しなのです。

 1月27日から開催されている、世界の政財界のトップが集まる「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」では、オバマ大統領が打ち出した大幅な金融規制強化案について、各国政府や金融当局者から支持する声が相次いでいます。

 サルコジ仏大統領は「銀行の役割は投機ではない。オバマ大統領が、銀行に投機や投機的なファンドへの資金供給をやめさせる、言ったのは正しい」と明言するなど、欧州でも金融機関への規制強化の動きが加速する雰囲気が強まっているのです。

 このため、市場では、少なくとも今週一杯は、この国際的な規制強化の動き加速への懸念を抱き続けることが予想されます。そして、この議論の最終形がみえるまでは、世界の株式市場の上値抑制要因、下落要因として機能し続けるとみておく必要があると考えます。

 言い換えれば、この議論の落としどころがみえるまでは、世界の株式市場は弱気相場が継続するとみています。そして、落としどころが見えてはじめて、悪材料出尽くしとなり、上昇相場に転換するでしょう。

中国当局の“バブル潰し”はどの程度急激なのか

 次に(2)については、中国では金融緩和であふれたマネーが不動産市場に流れ込み、住宅価格の高騰を招いています。このため、中国銀行業監督管理委員会は、不良債権が拡大することを未然に防ぐため、リスクの高い不動産向け融資を抑えるよう銀行への指導を徹底する考えを強調しています。

 ちなみに、中国の銀行融資残高の増加額に占める不動産開発や住宅ローン向けの比率は20%前後だそうです。

 09年の人民元融資残高の増加額は前年の2倍近い9兆5000億元(約130兆円)に膨らんだとみられ、このうち2兆元近くが不動産市場に流れ込んだことになる計算です。当局が、不動産バブル発生を危惧するは当然でしょう。

 また、中国人民銀行(中央銀行)は1月12日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率である預金準備率を0.5%引き上げると発表し、過剰融資の抑制に動く姿勢を示しています。

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著者プロフィール

藤井英敏
(カブ知恵代表取締役)

早稲田大学政経学部卒。日興證券、フィスコ等を経て05年に「カブ知恵」を設立。説得力のある解説で個人投資家に絶大な人気を誇る。雑誌「ダイヤモンド・ザイ」で2000年創刊時からレギュラーアナリストとして活躍。

この連載について

「100年に1度」の急変相場を生き残る! 個人投資家から絶大な支持を得ている筆者が、相場状況に応じた投資スタンスを毎週直伝します。

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