【第66回】 2010年02月09日
初中級投資家の皆さん、
バーゲンセールを待ちましょう!!
注目したG7財務相・中央銀行総裁会議は2月6日、2日間の討議を終えて閉幕しました。共同声明の採択は見送られ、議長総括が発表されました。
今回のG7の市場にとってのポイントは2点です。まず、金融機関も責任のコストを負担する必要があると指摘したことです。つまり、金融システム安定に投じた公的資金の損失を金融機関にも負担させる方策を検討する考えを示しました。次に、ギリシャの財政悪化問題に関しては、欧州が域内で対応することを確約し、国際通貨基金(IMF)の力を借りない方針を示したことです。
結論から言えば、何も決められないのなら、各国の要人が、わざわざカナダにまでノコノコ出かけて、集まる必要はなかったのではないというお粗末な会議でした。今回のG7は世界の株式市場にとって、ネガティブ材料になったと思います。また、為替市場でのユーロ安に歯止めが掛かることはなさそうです。
少なくとも、今回の会議で先進国の金融機関は、公的資金の損失を名目は保険料なのかわかりませんが、何らかの形で負担させられることがほぼ決まりました。さすがに、先日のオバマ大統領の提案したドラスティックな内容での着地はないでしょうが…。
先進国の金融機関への規制や負担強化がコミットメントされたことは、市場にとっては悪材料になりこそすれ、好材料になることはないと思います。
最悪なのは、2点目のギリシャ問題ですね。欧州が域内で対応することを確約するのなら、少なくとも、その具体策や、ザックリとしたスケジュールを示すべきでした。市場では、すでに、不安の矛先は、ギリシャだけなく、PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)全体に飛び火しつつあります。欧州の対応は、市場の期待するスピードに比べ、メチャクチャ遅いです。
ギリシャへのあいまいな対応が、
欧州市場の混乱を生む
こうなると予想されるのは、欧州金融市場の混乱です。
具体的には、欧州経済圏の中で経済規模が大きく、財政が健全なドイツの国債がガンガン買われ、逆に、PIIGS諸国の国債がガンガン売られるでしょう。また、為替市場では、ユーロが対主要通貨で売り込まれる公算が大きいです。特に、対ドルでの下落圧力が強まることでしょう。
そして、欧州株式市場では金融株と資源株が下落し、指数の急ピッチな調整が始まる可能性が高いとみています。つまり、声を持たない欧州金融市場は、混乱することによって、政策当局に対してPIIGS問題への早急な対応を迫ることになると考えます。
資源株の下落は、ドル高が進むのなら、ドル建てで取引される原油価格などに割高感が強まり、商品市況が下落する可能性が高いとみるからです。また、ドルの代替通貨として存在感を増してきた金価格も下落する公算も大きいでしょう。これは、一次産品の価格動向に経済成長を委ねる新興国の株式市場の下落につながる見通しです。
新興国の株が下落するようなら、リスクを回避するべく、投資マネーは新興国の株式市場のみならず、債券市場からも流出していくと考えます。
その一方、円は安全通貨としてドルと一緒に買われる可能性が高いとみています。つまり、円は対ユーロでは上昇するが、対ドルではあまり円安にならないとみています。むしろ、今後発表される米マクロ指標が弱い数字が相次ぐようなら、円が対ドルでも強含む可能性があります。また、季節的にも、日本の主力企業の多くでは3月決算です。このため、リパトリエーション(資金の本国還流)の動きが加速します。これも円高要因として作用するでしょう。
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著者プロフィール
- 藤井英敏
(カブ知恵代表取締役)
早稲田大学政経学部卒。日興證券、フィスコ等を経て05年に「カブ知恵」を設立。説得力のある解説で個人投資家に絶大な人気を誇る。雑誌「ダイヤモンド・ザイ」で2000年創刊時からレギュラーアナリストとして活躍。
この連載について
「100年に1度」の急変相場を生き残る! 個人投資家から絶大な支持を得ている筆者が、相場状況に応じた投資スタンスを毎週直伝します。
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