【第3回】 2008年11月05日
「ゴールド」そのものより「金鉱株」に投資妙味!
【今回のまとめ】
1.米国政府のバランスシートはどんどん膨張している
2.金価格が思ったより騰がらなかったのはドルが強かったから
3.「ゴールド」そのものより「金鉱株」、とりわけカナダのバリック・ゴールド株が安い
世界が金融不安に包まれています。流動性の損なわれた住宅ローン関連証券を抱えた金融機関は体力が衰えているので、これ以上はリスクが取れません。そのため、お互いに銀行間でお金を融通しあうことをためらっています。
そこで連邦準備制度(FRB)がそれらの住宅ローン関連証券を預かり、代わりにキャッシュを融通することで、金融システムが機能停止に陥るのを防いでいます。これによって、FRBのバランスシートは過去2ヵ月足らずの間に2倍にも膨れ上がりました。

金融市場の機能維持の負担がFRBに「一極集中」していることは米国の不安要因です。
ドルは大丈夫でしょうか?
この不安とはウラハラに、これまでのところ、ドルは弱くなるどころか、逆に対円を除いては世界通貨に対して強くなりました。そのおもな理由はリパトリエーション(=資金引き揚げ)です。
世界中の市場参加者のリスクを取る能力が縮小した結果、ありとあらゆる投資の「巻き戻し」が起こり、それがドルや円への需要を高めたのです。この「強いドル」が原因で金価格は軟調に推移しています。
しかし、リパトリエーションは一時的な現象ですので、「強いドル」が永続する保証はありません。ある時点で、上で述べたような「一極集中」への不安が頭をもたげてくる可能性も残っているのです。
ゴールドそのものの先行きは不透明
むしろ割安な「金鉱株」に注目!
もうひとつ気になるのが、FRBのバランスシートの膨張やこのところの利下げがインフレを招くのか? という問題です。
私の考えでは、FRBのバランスシートの拡大は、放置すれば信用供給システムが完全に凍結してしまうことを防ぐ目的でなされているわけですから、必ずしもインフレ誘発的ではない気がします。
利下げは確かに「ゴールド」にとってはプラスですが、株や不動産や商品価格など、あらゆる資産の価値が下落している今日このごろ、金(ゴールド)価格だけがそういうデフレ的圧力に抗していけると考えるのは、全体の流れに反している気がします。
これらのことから、私は金(ゴールド)価格に対して目先強気には考えていません(長い目で見れば、興味が尽きない資産であることは確かです)。
ただ、「金鉱株」の中には面白いものもあります。
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著者プロフィール
- 広瀬隆雄
(投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLC代表)
慶応大学法学部卒業。三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。長年、外国株式関連業務に携わっており、特にBRICsをはじめとした新興国市場に詳しい。米国カリフォルニア州在住。
この連載について
BRICsをはじめ、中南米、アジアや東欧諸国など、新興国の経済事情に精通した筆者が、知られざる国の注目企業を分析。世界の株に視野を広げよう!
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