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広瀬隆雄 世界投資へのパスポート

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CITショックに気をつけろ! 倒産したなら
米国はクレジット・クランチに逆戻りだ!

【今回のまとめ】
1.ファクタリングは中小企業の資金繰り計画に不可欠
2.CITは多くの零細企業にとって「最後の貸し手」である

 米国の大手ファクタリング会社であるCIT(ティッカー:CIT)の経営が行き詰まっています。

 同社の株価は7月10日(金)に前日比で17.7%も急落し、1.53ドルで引けています。一時は1ドルを試す展開となっていて、明らかに倒産を意識した値動きでした。

 CITの経営危機に関しては連邦預金保険公社(FDIC)も財務省も冷淡ですし、ウォール街からもあまり注目されていません。

 しかし、CITが仮に倒産するようなことがあれば、米国内の中小企業の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。

中小企業の資金繰りを支える
ファクタリング・サービス

 「ファクタリング」とは、中小企業の売掛金(=つまり、請求書を取引先企業に送った商取引に関して、まだ代金を受け取っていないもの)を肩代わりする金融取引を指します。

 抽象的な言葉で説明してもわかりにくいと思いますので、具体的な例を出して説明します。

 ある小さなアパレル・メーカーが、同じ町のブティックから流行のスタイルの洋服のまとまった注文を受けて、それを納品したとします。アパレル・メーカーは、納品と同時に請求書をブティックに送ります。

 しかし、ブティックのほうとしては、商品が売れるまでは支払いを先延ばししたいと思うでしょう。このように請求書を送ったけれど、まだ支払いを受けていない取引を売掛金といいます。売掛金は通常では、3ヵ月か6ヵ月後に処理されることが多いようです。

 一方、アパレル・メーカーとしては、従業員に給料を支払わなければならないし、次の製品を作るための服地やその他の材料を仕入れる必要もあります。従って、売掛金を早く現金化しなければならず、そのまま残しておけないのです。

 ファクタリング会社は、個々の商取引のリスクや金利コストを勘案した上で、前述の例ならば、アパレル・メーカーから売掛金を一定のディスカウント(割引)で買い取ります。

 ファクタリング会社はその場で、アパレル・メーカーに請求書の代金をディスカウントした分、例えば90%をキャッシュ(現金)で支払います。

 この肩代わりした売掛金について、ブティックから無事に支払いを受けられれば(回収できれば)、ファクタリング会社は10%の「利食い」になるわけです。ただし実際には、これから金利コストを引いた分が「儲け」になります。

 このように、ファクタリング会社は中小企業のビジネス活動の「潤滑油」の役割を担っているのです。


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著者プロフィール

広瀬隆雄
(投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLC代表)

慶応大学法学部卒業。三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。長年、外国株式関連業務に携わっており、特にBRICsをはじめとした新興国市場に詳しい。米国カリフォルニア州在住。

この連載について

BRICsをはじめ、中南米、アジアや東欧諸国など、新興国の経済事情に精通した筆者が、知られざる国の注目企業を分析。世界の株に視野を広げよう!

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