【第68回】 2010年02月09日
ギリシャやスペインの問題は長期化へ。
ユーロ安でほくそ笑むルイヴィトンとBMW
【今回のまとめ】
1.ギリシャ、スペイン、ポルトガルには確固とした輸出基盤がない
2.体質の改善には時間がかかる
3.ユーロは当分の間、弱くならざるを得ない
4.欧州のブランド企業で輸出中心のところはホクホクしている
ギリシャ問題、過去の新興国の通貨危機とどう違う?
昨年12月28日のこのコラム「2010年の世界市場の見通し」で、「ユーロが売られる!」ということを申し上げました(「【2010年 世界市場の見通し】欧州に時限爆弾! ユーロが売られる!! 」)を参照)。
今年に入ってからのマーケットは、その中で書いたシナリオがまさに現実のものとなっています。
そのシナリオとは、ギリシャ、スペインに代表される欧州の中でも成長率の低い国に対して、世界の投資家が「いつまでも、彼らにお金を貸し続けるのはイヤだ!」とゴネ始めるということでした。
さて、表面的に、今回のギリシャの問題が、かつてのメキシコのペソ危機やタイのバーツ危機と似ていると思う方も多いでしょう。
確かに、共通点は多いです。
しかし、違う点というのもあります。
今後の展開を占う上で、その相違点というのを理解することが極めて重要だと思いますので、チョッとだけ解説しておきます。
新興国の通貨危機はたいていの場合、その国の将来性に対して世界中の投資家が大きな期待を抱き、その結果、お金がどんどん集まってきてしまうという問題が発端になります。
そして、期待に応えることができなくなったとき、危機が起きて、破綻するのです。
お金がどんどん飛び込んでくるときというのはその国の通貨も強くなりやすいですから、期待が寄せられれば寄せられるほど、輸出競争力は減退します。
「地中海クラブ」諸国は、
日本よりも条件的に厳しい!?
前述のタイやメキシコとは異なり、いわゆる「地中海クラブ」と呼ばれるギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの国々に、急成長しているところはありません。
むしろ、人口動態などを考えれば、日本と同じような悪条件に苦しんでいるということもできます。
ただ、ある部分では、これらの国は日本よりもっと条件が厳しいのです。なぜなら、彼らには輸出産業の確固としたベースがないためです。
日本はフツーに努力していれば、自然に貿易黒字が出る国です。ところが、彼らの場合、輸出産業の競争力があまりにも乏しいので、恒常的な貿易黒字は望めません。
ギリシャやスペインの回復には時間がかかりそう
いま、そのような貿易赤字がクセになっている国が財政的に赤字を垂れ流し、帳尻合わせを外国の投資家に依存していたら、どうなるでしょうか?
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著者プロフィール
- 広瀬隆雄
(投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLC代表)
慶応大学法学部卒業。三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。長年、外国株式関連業務に携わっており、特にBRICsをはじめとした新興国市場に詳しい。米国カリフォルニア州在住。
この連載について
BRICsをはじめ、中南米、アジアや東欧諸国など、新興国の経済事情に精通した筆者が、知られざる国の注目企業を分析。世界の株に視野を広げよう!
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