いちどは海外で働いてみたい! そんな夢をかなえたマイさん。三十路を過ぎて日本からタイに移住し、バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部で編集スタッフとして働きだした33歳・独身女性の移住記録。後編です。
こんにちは。『DACO』編集スタッフのマイです。前回に続いて、タイ移住後の手続きや発見のあれこれ、ご紹介します。
これやりました! 移住後編
新しい職場、新しい家、初めての海外暮らし。気分はウキウキだが、そこには言葉の壁がのしかかる。てか、一人じゃ何もできないじゃん!
【アパート契約】運命の部屋をめぐる物語
アパートは昨年12月に一度下見をしていた。BTSパヤタイ駅近くに気に入った物件があったが、1階しか空きがないとのこと。1階は虫が恐い。そこは譲れない。でも、東京でも住めるような雰囲気のマンションには住みたいとも思わない。贅沢なんだけど。
移住直前になって、社長があるアパートの内見動画を送ってくれた。スクムビット(駐在員が多く住む高級住宅街)のど真ん中にあって、まるでジャングル、よく言えばリゾートのようなたくさんの植物に囲まれたレトロなアパート。
家賃は月1万8000バーツ(約5万4000円 タイの物価は日本の1/3~1/5程度)。予算は正直大幅オーバーだ。でも「ここに住んだら~」という妄想ばかりが膨らむ。動画を何回も見てしまう。あぁ、でも家賃がなぁ……の無限ループ。
そんな折、社長から「家賃はなんとかなると思います」という根拠はないが自信たっぷりのメールが届く。どういうことだ?
バンコクに到着してすぐ、社長と一緒にアパートへ。古いけど味のある広めの1ベッドルームの部屋。ベランダからの眺めも上々! あぁ、ここに住みたい。
あとは家賃交渉のみ。日本からのおみやげを管理人さんに渡す。袖の下に入らないほどの大きなお菓子の箱。タイ語がまったくわからないので交渉は社長任せだ。おや……なんか難航してるっぽい。 結局、管理人さんに家賃を決める権利はないから、と断られてしまった。
その帰り道、社長が言った。「あそこは、僕の友人が大好きだったアパートなんです」「大好き、だった?」「そう、ずっと空き部屋の問い合わせに通っていたんだけど、病気で亡くなってしまって……。でも今になってアパートに空きが出て、そのタイミングであなたが来ることになったから、なんだか僕は、あなたがそこに住むような気がしてたんですよ」。
後日ほかの家を探そうか、といったん会社に戻り仕事をしていたら、デスクに社長がやってきた。「家賃を下げてくれるって言ってるよ!」オーナーから直接電話があったらしい。
こうして、なんだか引き寄せられるように、私は今その部屋に住んでいる。
《How to》バンコクで家を借りるには?
(1) 街を歩いてみて気に入った物件を探し、空き部屋があれば見せてもらう。家賃や光熱費などを確認。
(2)いざ契約! 敷金・礼金はないがデポジットが必要(家賃2~3カ月分が相場)。パスポートを忘れずに。
(3)大抵の部屋は家具・家電が備え付け。すぐに住み始められるのがタイのすごいところ。日本もそうなればいいのに。
《Point!》夜の道もチェック!
○特に女性一人暮らしの場合は治安を重視! 夜道の状況なども確認しよう。

【新生活準備】荷物運べず ヘイ、タクシー!!
「まずこれだけは買え!」と言われたのが、ベッドカバー・トイレットペーパー・水。なにはなくとも「ビッグC」(イトーヨーカ堂的なお店)に行けば大抵のものは揃うことがわかった。
にしても、バンコクのタクシーは本当にひどい。両手に買い物袋を4つも5つも持ってヨタヨタ歩いているのに、全然乗せてくれない。週末の午後、スクムビットの中心部にタクシーで帰ろうなんて甘いらしい。
でもさ、渋滞でもなんでもどうせどこかは走るんだから乗せてくれよ!!!
《Point!》そのほか準備したもの
○携帯電話
日本で使っていた携帯が偶然にもSIMフリーだった。先輩に付き添ってもらいTRUE(トゥルー・コーポレーション、タイの通信事業者)で契約。月500バーツ(約1500円)程度。
○インターネット
こちらもTRUEで。「プリーズ・コネクト・インターネット」的なエセ英語でなんとか自力で契約。月700バーツ(約2100円)程度。
○洗濯機
移住後1カ月は手洗いで乗り切る。家電は安すぎるとすぐ壊れると聞き、デパートで日本製を購入。6500バーツ(約1万9500円)くらい。
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