「脱時間割のタイムマネジメント」のメリット
タスクの実行時刻を決めない理由

 今まで述べたように、「脱時間割」のタイムマネジメントでは、タスクの実行時刻までは決めなくて構いません。

「タスクの実行時刻を決めてはいけない」というわけではないのですが、細かい時刻まで決めるメリットは特にないのです。この時点では「仕事量」がわかればいいからです。

 逆に、「タスクの実行時刻を決める」ことによるデメリットはあります。まず、実行時刻まで決めようとするといろいろ考えなければいけませんし、手間もかかります。

 また、一度立てた計画を変更するのも面倒なものです。たとえば、新しいアポイントメントが追加になった場合、そこに入れていたタスクを別の時間帯に書き写さなければいけない場合もあります。また、突発の仕事などで計画を変更する場合、一つのタスクがあとにずれると、次のタスクもあとにずれて……と玉突き的に書き直さなければいけません。こうした作業はとても面倒なものです。

 さらに、計画を実行していく段階にも問題があります。同じ仕事でもアポイントメントの方は、一度決めたら時刻を変更することはあまりありません。その時間がくれば実行しますから、過ぎた時刻に書かれているのは「すでに終わったアポイントメント」です。タスクの方は、そうとは限りません。いくつか書かれたタスクのうち、一つやり残した(終わらなかった)タスクがあっても、ついうっかり見落としてしまうこともあります。それよりも最初からタスクを分けて書いておく方が、未完了のタスクが見分けやすくなります。

 このように、タスクをタイムスケジュールに組み込んでしまうことには、いろいろと手間がかかってしまいます。手間をかけずにタイムマネジメントを行なうためには、タスクはタイムスケジュールとは別枠に書くべきなのです。