©深田晶恵 ダイヤモンド社 2016 禁無断転載

 妻の収入が「103万円の壁」を超えたとしても、夫は配偶者特別控除を受けることができるため、世帯の手取り収入が減ることはない。しかし、妻に社会保険料負担が発生する「106万円の壁」と「130万円の壁」を超えると、手取り収入は一気に下がることがグラフで見てとれる。

 働きゾンとならないための分岐点は、「106万円の壁」の場合で妻の年収134万円、「130万円の壁」では年収159万円の試算となった。いずれの場合も、年約30万円以上多く働かないと「ソン」を解消できないため、働く時間を減らして「社会保険の壁」を越えないよう調整するパートタイマーは少なくない。

パート主婦が「壁」を越えて
社会保険に入るメリットとは

 パート主婦は、社会保険料を負担しなくてもいいように就業調整をすべきなのだろうか。この数日の新聞紙面でコメントしている専門家のほとんどが、壁を越えて働くことを推奨している。私も越えたほうがいいと考えている。

 社会保険の壁を越えるメリットは複数ある。まず、厚生年金に加入すると老後に受け取る年金が増える。月収8万8000円で20年間働くと、厚生年金が月1万円弱上乗せされる。わずかな額だが、公的年金は生きている限り払われるものなので、メリットといえるだろう。