店内がどよめく!?「富士山盛り」

 立ち食いそばチェーンはし烈な競争下にある。富士そばも生き残りのために、新しいメニューを開発していかなければならない。ブレーメンそばは元住吉店でしか出していないが、これまでにもいくつもの新商品を出した開発力があってこそ、生まれたものだろう。

 須賀店長はうなずく。

「うちは店長が権限を持っていて、新しいメニューを考えたらすぐに本部に提案するのです。それで採用されたら店で出していい。たとえば、私は元住吉の前は原町田店で店長をしていました。そこでは肉富士ラー油丼というものを考案しました。豚丼にラー油を加えたピリ辛丼ですが、これが好評で、今では原町田店だけでなく、近隣でも置いています」

 これまでにも、ポテトそば、ハムカツそば、カレーカツ丼などいくつものメニューが生まれてきた。

 そして、具を変化させたものだけがメニューとして採用されるわけではない。実は同チェーンで、固定ファンを獲得しているのが大盛りメニューだ。

 同チェーンではもり、かけは300円。1.5玉が400円。2玉使ったふた玉盛り(大盛り)が500円。さらに、富士山盛りという3玉使ったものが600円。

 取材中、わたしはうどんの富士山盛りを注文した若者を見た。

 若者が自席まで富士山盛りを運んでいくのを見て、店内はどよめいた、ような気がする。

 店長がこそっとつぶやいた。

「うどんの富士山盛りはキツイです。うどん3玉は運動部に入っている高校生くらいしか完食はできません」

 うどんの富士山盛りは雪をかぶった霊峰富士のごとく、皿の上に鎮座していた。圧倒的である。

 なお、富士山盛りは冷たいそば、うどんとして提供される。リクエストがあれば温かいそば、うどんにもなるが、そうなると、量が多いので、丼がふたつになってしまうという。

「富士山盛りを召し上がるお客さまには感心してしまいます」

 須賀店長は富士山盛りのオーダーが入るたびに、身体が震えるという。

「おそば、もしくはうどんがほんとに好きな方なんだなと思うのです」

 自信のある人はブレーメン商店街へ行くといい。ブレーメンそばもしくは富士山盛りを食べて、身体にガツンと元気を注入するのだ。 


「富士そば 元住吉店」

◆住所
神奈川県川崎市中原区木月1-21-7
◆電話
03-6276-3502
◆営業時間
24時間営業 無休