公正取引委員会は12月8日、ソーシャルネットワークサービス(SNS)「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)に、独占禁止法違反容疑で立ち入り検査を行ったと発表した。

 今回の独禁法違反容疑は、ディー・エヌ・エーが取引する中小ソフトハウスに対して、同業他社のグリーにコンテンツを供給しないよう圧力をかけた疑いによる、拘束条件付き取引と見られている。被害の内容としては、モバゲーのトップページからの導線が切られる、ソフトメーカーにトラフィックデータを渡さないなどがあったという。

 ある業界関係者は今回の公取の動きについて次のように説明する。

「公取がディー・エヌ・エーに対して調査に入ったというウワサが、業界内で公然と流れ始めたのは8月。ただし、内偵自体は5月に始まっていたようで、7月にはディー・エヌ・エーとの取引内容を調べているような調査紙が中小ソフトハウスなどに送られています」

 「ただ、9月ごろにはディー・エヌ・エーも態度を軟化させ、状況が改善されたという話も聞いていたので、もう公取の指導は済んだのかと思っていました。なぜ今頃立ち入り検査なのかちょっと不思議な感じもしますが、今回の立ち入り検査に至るまで軽く6ヵ月は経過しており、公取は証拠を大量に積んでいると考えて間違いないでしょう」

 一方、今回の件が2000万人を超えるモバゲーのユーザーに対して直接的に影響することはほぼなく、ビジネス的な影響は限定的と考えられている。「おそらく、企業イメージのダウンを怖れる企業の出稿取りやめによる広告収入減くらい」(関係者)というのが大勢だ。

 しかし同時に、公取の立ち入り検査をきっかけにディー・エヌ・エーの快進撃が鈍ると考えている関係者が多いのも事実なのだが、その理由は何なのだろうか?