おせち料理にお酒、そして駅伝。年が明けるとなぜか見てしまう。今や年始の恒例行事となったのが駅伝だ。 

 元日は実業団のニューイヤー駅伝(群馬)。2日は箱根駅伝往路、3日は箱根駅伝復路。そして3週置いた23日には上州路や箱根路、昨年末の高校駅伝を走った選手や、彼らを目指す中学生が出身都道府県の代表としてたすきをつなぐ全国都道府県対抗男子駅伝(広島)が行われる。

 他にもサッカー(天皇杯決勝=元日、高校選手権決勝=10日)、ラグビー(大学選手権決勝=9日、高校選手権決勝=8日)、アメリカンフットボール(日本選手権ライスボウル=3日)と日本の頂点を決める大試合はあるが、多くの人がテレビ中継を見るのが駅伝だ。

 とくに箱根駅伝は27%以上の平均視聴率を稼ぐ(昨年は往路が27.2%、復路が27.9%=ビデオリサーチ関東地区)。約5時間半の長いレースにもかかわらず、平均でこれだけの高視聴率を記録するのだ。これは驚異的である。

 確かに箱根駅伝は多くの名ランナーを輩出してきた。瀬古利彦(早大)、谷口浩美(日体大)、尾方剛(山梨学院大)など、ここから育ったオリンピック出場選手も数多い。10代の男子長距離ランナーにとって箱根を走ることは夢であり、出場各大学10区間の選手に選ばれることは並大抵のことではない。だが、大多数の選手は日本代表レベルには遠く及ばない平凡な選手。また、テレビを見る人が出場大学のOBというわけでもない。

なぜ箱根駅伝に
チャンネルを合わせてしまうのか?

 それでも見てしまうのはなぜか。東京―箱根間約110キロを往復するという舞台設定も大きい。新年の街並みや山道を茶の間にいながら眺めることができるのだ。そして何より母校のために死力を振り絞って走る選手の姿にも心打たれるものがある。トップ争いはもちろん面白いが、それ以外にもごぼう抜きや、時としてスタミナ切れを起こしフラフラになる選手が出るというドラマがある。