インテル・キャピタルが<br />次に投資する分野はどこかインテル・キャピタル会長のウェンデル・ブルックス氏 Photo by Noriko Takiguchi

 インテルの投資部門、インテル・キャピタルによる「インテル・キャピタル・グローバル・サミット」が、去る10月24~26日にサンディエゴで開催された。このサミットは、同部門が新たに投資を決定した企業を紹介し、さらに既存の投資先企業も交えて、300社以上のインテル顧客企業と交流させるイベントで、毎年開催され、今年は17回目となる。

米・欧・中の12社が
新規にポートフォリオに加わる

 今年、新たなポートフォリオ企業として発表されたのは、アメリカ、ヨーロッパ、中国の12社で、投資総額は3800万ドル。自律マシン、データと通信、スポーツと健康、VR(バーチャル・リアリティー)の4分野に大きく分けられる。その中からいくつかのスタートアップを紹介しよう。

 フランスのクロノカム(Chronocam)は、人間の視覚のしくみに着想を得たイメージ・センサーを利用した、効率的なコンピュータ・ビジョンのしくみを開発する。アメリカのエンボディード(Embodied)は、人間のようなやりとりを行う家族のためのロボットの開発を進めている。共同創業者の1人は、元アイロボットのCTOだ。

 中国のイージーテック(Eazytec)は、スマートシティーのためのファームウェアを開発し、スマートシティーのディベロッパーかつサービス・プロバイダーを目指している。アメリカのキューブワークス(CubeWorks)は、サイズが1mm以下というワイヤレスセンシングプラットフォームを生み出した。まさにユビキタスなコンピュータ環境の実現に貢献するものとなる。また、アメリカのK4コネクト(K4Connect)は、高齢者や身体障害者がスマート・テクノロジーやソーシャル・ネットワークを1ヵ所で簡単に操作できるようなプラットフォームを、B2Bで提供する。

 ダイソニックス(Dysonics)が開発したのは、360度オーディオの録音、制作ツール、再生を可能にする技術。VRゲームだけでなく、ドキュメンタリーやテレビ番組などの実録版のエンターテインメントでの利用を目論んでいる。インコンテキスト・ソリューションズ(InContext Solutions)は、VRヘッドマウントディスプレイをつけたバーチャル空間で、スーパーマーケットなどの店頭の商品レイアウトをテストできるツールを作り、すでに大手チェーンに提供している。