通信費の家計負担、実は高齢者ほど重荷になっている

日本の通信費の家計負担は
他国と比べて重くないか

 2015年9月の経済財政諮問会議における安倍首相の「携帯電話などの家計負担軽減が大きな課題だ」という発言をきっかけに、有識者による「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」が同10月から総務省に設けられ、この課題についての検討がはじまった。

 だが、初回の会合では、日本の通信料金は海外と比較して高くないというデータが示され、その結果、重点はむしろ携帯電話端末の実質ゼロ円販売の解消に移り、今でも、この点をめぐる行政と大手通信会社との攻防が続いている。

 しかし、本当に、携帯電話などの通信料の家計負担は海外と比べて重くないのか。今回は、この点に関する統計データを検証してみよう。

◆図1 家計における通信費支出の対GDP比

通信費の家計負担、実は高齢者ほど重荷になっている©本川裕 ダイヤモンド社 禁無断転載 拡大画像表示

  あまり利用されることがないデータだが、図1に、OECDのSNA(GDP統計)データベースにより、主要先進国の家計における通信費支出の対GDP比の推移を示した。