ジャガークラシックのエンジニアリングチームによって手作業で仕上げられたシアーウッドグリーンの1台

 XKSSはレーシングカーであるDタイプと基本的に同じ262馬力の3.4リッター直列6気筒を搭載。今回の9台のために全く新しい鋳鉄ブロック、鋳造シリンダーヘッド、さらにウェバー社製DC03キャブレターまで作りあげたのだから驚くべきことだ。

2000個以上もあるリベットの位置、ダッシュボードのスミス社製ゲージなどすべてオリジナルのままだそう

 XKSSではレーシングカーゆずりの内装も見どころだ。

 「オリジナルのスミス社製ゲージがもたらす完璧な遊び心までも再現しており、木製のステアリング・ホイールから、レザーシートのシボ、そしてダッシュボードの真鍮ノブに至るまで、1957年当時そのままです」とジャガーカーズのプレスリリースでは謳う。ただし「ドライバーや乗員の安全を確保、向上させるために、若干の仕様変更を加えています」とのことで、燃料タンクには現在の燃料の燃焼効率に対応できる堅牢かつ最新の素材が用いられているのは一例だ。

ウッドのステアリングホイールやクッションの薄いバケットシートが雰囲気を出している

 11月16日、ロサンジェルスのピーターセン・オートモーティブミュージアムでのジャーナリスト向けお披露目の会には、ジャガークラシックのエンジニアリングマネージャーであるケビン・リッチ氏も出席。

「手づくりで1台ずつかたちが違うのでどれを原型とするか決めるのに苦労しました。なにしろフロントの開口部にしても手で切って開けているため左右でかたちが違うなんてざらですから」とエピソードを披露してくれた。完成したXKSSでロサンジェルス郊外のマルホランドドライブのような道を走るリッチ氏のビデオ(トップの画像)も上映され、すばらしく気持ち良さそうだったのが印象的である。

エンジニアリングチームは1957年型XKSSをデジタルスキャンしてパーツを作ったそう

 2017年に完成するニューオリジナルのXKSS。価格は1万ポンドだそう。邦貨にして約1億4100万円だ。買える財力のあるひとは幸せだが、そもそも9台しか作られないものを手に入れたらそのことのほうが幸せというべきかもしれない。