原油と金以外の国際商品市況が上昇傾向にある。原油は、11月30日のOPEC(石油輸出国機構)総会という重要イベントを控えていたことや、供給過剰状態が解消するめどが立たないことなどを背景に、上値が重い展開が続いている。

 米国の金利動向に敏感な金相場も下落している。景気見通しの上方修正などから米金利が上昇したためドル高が進んでおり、金価格の頭を押さえている。

 しかし、他の国際商品を見ると、上昇している品目が目に付く。石炭は、4月に中国政府が炭鉱の稼働日数を減らす方針を示したことを受けて、需給が引き締まった。発電用が主用途の一般炭の相場は、11月初めには、年初の安値に比べて2・5倍以上になり、国際商品のブームが続いていた2012年の相場水準に近づいた。

 鉄鉱石も中国需要の増加観測を背景に、年初に比べて2倍以上に上昇している。中国では政府が景気下支えのための公共投資を打ち出し、不動産投資が堅調なこともあり、鉄鋼生産が高水準である。

 製鉄で原材料となる原料炭については、中国における供給削減と需要増加の双方の動きの恩恵を受け、相場は年初の安値の4倍近くにまで高騰している。