そう、こうした記事はストレートニュースと呼ばれ、通常、通信社の記者が書く記事とされている。

 世界中のメディアでは、新聞記者と通信記者の仕事は明確に区別されている。一方で、日本ではその二つが混在している。

 どういうことか? 端的に言おう。日本のメディア界には、「新聞記者」は存在しないのである。

 筆者が冒頭に書いた「政局記事」は、世界で言えば、ストレートニュースに分類されるだろう。それは、現象をそのまま「切り取る」ことで、できるだけ速く、ありのままの素材を読者に伝えることが是とされている。

 そのうちの一部は〈速報〉として扱われ、テレビや新聞などの同業者へ配信されることもある。

 世界的にみれば、速報を第一義とする仕事に特化した報道機関を「ワイヤーサービス」と称し、ロイターやAP、日本でいえば共同通信、時事通信などがそれにあたる。

新聞記事には記者の知見を
総動員した内容が求められる

 一方で新聞社の仕事はそこにない。世界中で新聞記者の求められている仕事は、さらにそこから踏み込み、自らの知識、見識、経験などを総動員し、さらに取材、調査、分析、検証などを加え、一本の記事を書くことにある。

 そうなると、記者ひとりひとりが書く記事が違ってくるのが当然になる。人間はひとりひとり違うものである。よって同じ事象でも、違う価値観で物事を見るから、当然に異なる記事がたくさん生まれるのである。