会談には日本維新の会代表である松井一郎大阪府知事も同席したが、松井府知事も国会議員ではない。国会議員でもない二人と国政課題について会談を行うというのは、なんとも不思議な光景だ。

 それにしても、なぜ「維新」は大阪では自民党と骨肉の争いを繰り広げながら、国政では与党に近づくのか。

 そして、果たして安倍総理が橋下徹氏に会う狙いとは何なのか。どう考えても大阪はともかく、国政においては橋下徹氏のいない「維新」に勢いはない。ましてや、安倍政権は向かうところ敵なしの安定した政権基盤を固めているように見え、自民党は衆参両院で安定多数を確保している。にもかかわらず、国政政党では少数野党に過ぎない日本維新の会をこうも気にするのはなぜか。

 そして、今回の会談が今後の政局に与える影響とは何なのか。考察してみたい。

「維新」が自民にすり寄るのは当たり前
政治は現実を動かしてこそ意味がある

 まず、「維新は与党寄り」と批判する声があるが、それは批判になっていない、と言いたい。

 安倍政権は強い。12月5日、安倍総理の総理大臣在職日数が、歴代史上6位となった。1位は日露戦争を率いた明治の英雄桂太郎元総理(2886日)。2位はノーベル平和賞を受賞した佐藤榮作元総理(2798日)。3位は伊藤博文初代総理大臣(2720日)。日本国憲法にも署名した吉田茂元総理(2616日)に小泉純一郎元総理(1980日)が続き、その後ろを安倍総理が追う。来年半ばには、安倍総理は自身の師でもある小泉元総理を抜き、史上5位になる可能性が高い。つい最近まで「日本の総理大臣はコロコロ変わる」などと世界で陰口をたたかれていたのがウソのようだ。

 今の安倍政権はそれだけ盤石なのである。安倍政権に批判的な人からすれば遺憾かもしれないが、数回の国政選挙による結果であることは認めざるを得ない。

 この現実を踏まえ、現実の政治に少しでも影響を与えようと思えば、与党に対してバーターを仕掛け、一つでも二つでも政策実現につなげるしかない。野党として言いたい放題叫んだところで、国政に影響を与えることはできない。