日銀は7月末に年ごとの買い入れ額倍増を発表しており、今後も保有比率は高まっていく。だが、金融緩和の出口を見据えれば、ETFがいつか放出されるリスクを念頭に置かなければならない。市場に混乱を来さず売却できるのかと、うたぐり深い目も向けられる。 

2011年頃から強まりだした
日米株価指標の連動性

 こうした“官製相場”の様相が強まる前から、実は日経平均株価には不可思議な現象が指摘される。

 T&Dアセットマネジメントの神谷尚志チーフ・エコノミストが注目するのは、日経平均と、円換算した米ダウ平均株価の間に見られる、極めて高い連動性だ。驚くことに、日中の分単位で両指標の先物取引のチャートを並べてみても、ほぼぴったりと動きが重なる。

 はっきりした理由は分からないそうだが、神谷氏によると、両指標の連動性が強まりだしたのは2011年ごろから。興味深いのはその時期だ。

 東京証券取引所が新たな売買システム「アローヘッド」を導入したのは10年。日本でも外国の機関投資家などを通じ、「アルゴリズム」と呼ばれるコンピューターの自動売買を使った高速取引が広がりだしたあたりと重なっている。ヘッジファンドが仕掛けるアルゴリズム取引などが、日米株価指標の強固な連動性に一役買っている可能性がないとは言い切れない。

 高速取引の影響には金融庁も目を光らせている。現在は有識者を集め対応を協議しているところだ。

 株価指数の裏側にある動きを見てきたが、結局誰しもが気になるのは、今後の株価の行方だろう。

 マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは最近のチャートの動きから、日本株が大相場を演じる兆しを感じているという。

 いわく、日経平均は13週移動平均線が26週移動平均線を上回り、チャート上に「ゴールデンクロス(黄金線)」が形成され始めた。