「外国人住人との共生」を議論すべきときが来た

 しかし、現行制度の改変では人手不足の解消策にはならないだろう。外国人をそのまま生活者として迎える方向に進まざるを得ない。移民である。

 働く意欲が高い外国人は、普通の暮らしを営む生活者でもある。技能実習生の受け入れ企業からも「職業人として一人前になれば、長く働きたい人も多い。現場もその方がありがたい」と言う声が高まっている。

 欧州諸国では人口の13~15%が移民で構成されているが、日本ではまだ2%にも満たない。事実上の「鎖国」状態が続いている。長期的にみれば労働者に限らず、普通の市民の受け入れをも視野に入れねばならない。

 外国人が多く暮らす地域や都市からは、「外国人との共生は国レベルで早急に議論すべきだ」と訴える声が上がっている。

 浜松、四日市、上田市など25市で構成する外国人集住都市会議は、2015年12月の浜松宣言で「かつて、特定地域の一 時的なものとされた外国人労働者の受入れや外国人住民との共生は、今や国全 体で共有すべき課題となっている。外国人住民を受け入れ、多文化共生に取り組 んできた基礎自治体として、その経験や取り組みをこれからのまちづくりや地 域の活性化に生かしていかなければならない」と記している。

 今年から技能実習生や留学生がどっと増えて来ることは間違いない。実習生は5年後には帰国を迫らるとはいえ、日本で暮らす外国人は確実に増大する。日々の生活の中で共生や社会的統合の施策を自治体に委ねる時期は脱した。国としてきちんとした移民政策に取り組むべき時代を迎えたと言っていいだろう。

(福祉ジャーナリスト 浅川澄一)