中国は昨年、貿易黒字や外国直接投資の縮小、高利回りを求める個人投資家の外国投資などで資本が流出。当局は人民元安を食い止めようと市場に介入し、外貨準備高が昨年中に3190億ドル減少した。

 人民元のポジションに関する正式な統計はないが、ロイター調査によると昨年9月以降、売り持ちの状態が続いている。

 トランプ次期米大統領の財政拡張政策や米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速の見通しなどで米ドル高が進んだのが背景。

 1月初めのオフショア人民元市場の動揺でも、ドルを買い持ちにして人民元を売り持ちにするという戦略は揺らがなかった。

 BNPパリバ・インベストメントのサンボー氏は「そもそも実需の投資家やグローバルマクロファンドにとってはドル買い持ちの取引がコンセンサスであり、元安を見込む取引のために大きな借り入れはしていなかった」と述べた。

 中国の景気の減速や一層の資本自由化で人民元は一段と下落すると予想されており、当局はさらに外貨準備を取り崩して元安に対抗するよう圧力にさらされそうだ。

 ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外為戦略グローバルヘッドのマーク・チャンドラー氏は、人民元は中銀の支えがなければ下落して投機筋の攻撃にさらされると予想。「人民元についてはうまい選択肢がないかもしれない。下落のペースを落とすにはコストが掛かるし、全面安を容認すれば大混乱に陥るだろう」とした。

(Vidya Ranganathan、Patrick Graham記者)