例えばチェースは最近、貯蓄口座に3ヵ月間最低1万5000ドルを置くといった一定の条件を満たした場合、新規口座開設に際して現金500ドルを支払うキャンペーンを展開した。

 レイクCFOによると、こうしたやり方なら預金部門の利益率を下げなくて済むという。

 JPモルガンの預金増加は、金融危機がもたらした「怪我の功名」の側面もある。2007年以前は、チェースも他の多くの銀行と同じようにサービスの悪さから毎年相当な顧客を失った。それを当座貸越などに関する手数料収入で補っていたものの、金融危機後の規制改革でこうした手数料が厳しく制限されたため、顧客をつなぎ止める上でサービス向上に力を注がざるを得なくなったのだ。

 また同行は金融危機の際中にワシントン・ミューチュアルを傘下に収め、チェースが支店網の穴を埋めるため新規出店しようとしていたカリフォルニア州とフロリダ州の店舗を手に入れることができた。預金が増えたのはこうした動きの副産物だった。

 このほか金融規制強化で銀行にとって資本市場からの短期調達より預金が望ましいとされたことや、チェースが大衆富裕層向けの投資運用事業拡大を目指した結果も、預金増に結び付いた。

 それでもやはり預金獲得に最も大きく貢献したのは、チェースの規模だろう。CLSAのメイヨ氏は「チェースがその力を誇示しているということだ」と述べた。

(David Henry記者)