地震大国・日本――。大津波を引き起こし東北沿岸に甚大な被害をもたらした東日本巨大地震は、そのリスクを世界にあらためて認識させた。

 日本時間3月11日金曜日午後の地震発生以降、世界の主要メディアは先を争って緊急特番を放送。東日本大震災は、それまでヘッドラインを独占していた中東・北アフリカの政情不安関連のニュースに代わって、連日トップで大きく報じられ、さらにそのニュース映像がユーチューブなどの動画投稿サイトを通じて世界中にばら撒かれた。

 東京電力福島第1原子力発電所1号機のメルトダウン(炉心溶融)の可能性が日本国内で伝えられた12日、特に同1号機建屋で爆発があった夕方以降は、海外メディアの報道の中心はこの問題に大きくシフト。CNNなど複数のメディアでは、専門家を招いて、旧ソ連時代の1986年に起きた史上最悪の原発事故であるチェルノブイリ原発事故との比較検証を繰り返し行っている(福島原発震災については、ダイヤモンド・オンラインのこちらの記事参照)。

 ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなど米有力紙の電子版のトップページも、福島原発事故関連の記事で埋め尽くされた。日本企業の原発の海外輸出戦略にネガティブな影響を与えるのは必定だ。

 今回の巨大地震に際しては、一部の速報メディアが当初、大きな地震が東京を襲ったことを急ぎ報じ、それがソーシャルメディアで拡散されたこともあってか、東京が甚大な被害を受けたとの誤解も国外の一部では飛び交ったようだ。ダイヤモンド・オンライン編集部にも地震発生からしばらくすると、海外の複数の寄稿者から、安否確認とともに、東京の被害状況ばかりを尋ねるメールが多数飛び込んだ。しかし、すぐさま震源地などに関する詳細な情報が海外に伝わったことで、市場の大きな混乱にはつながらなかったようだ。

 海外メディアはその後も地震・津波による被害状況や原発事故関連のニュースを繰り返し報じているが、それとともに、日本経済やマーケットへの影響などについて、震災報道に追われる日本のメディア以上に、さまざまな分析報道を浴びせかけている。